自殺者数が多いのは東京都、自殺する率が高いのは秋田県

[2018/3/18 00:00]

自殺者数は7年連続の減少

警察庁が発表した、2016年の自殺者数の総数は「21,321人」でした。

自殺者は8年連続で減少しています。

今年は、前年に比べ576人少なく、2.6%減少しました。

ただし、都道府県別に見ると、自殺者が増えている県もあります。

2016年は、30の都道府県で自殺者が減り、17つの県で自殺者が増えました。

この記事では、都道府県単位で、自殺者数の動向を見ていきます。

自殺者数が多いのは「東京都」

最初に、「自殺者数が多かった都道府県」を見てみましょう。

ここでは、上位10位までを掲載しています。

1位から3位までは、「東京都」「神奈川」「大阪」の順でした。

2016年に比べると、「埼玉」で72人自殺者が減り、「神奈川」で63人増えたので順位が入れ替わっています。

東京都の自殺者数は「2,145人」です。

自殺者数の減少数は、全都道府県で一番大きく、2016年から75人少なくなりました。

それでも、東京の自殺者数は、全国の自殺者数の1割以上を占めています。

  1. 東京 2,145人
  2. 神奈川 1,276人
  3. 大阪 1,201人
  4. 埼玉 1,182人
  5. 愛知 1,151人
  6. 北海道 1,001人
  7. 千葉 985人
  8. 兵庫 976人
  9. 福岡 879人
  10. 静岡 677人

自殺者数が少ないのは「鳥取」

「自殺者数が少なかった都道府県」は、「鳥取」「島根」「徳島」の順でした。

この順位は、2016年と変わっていません。

鳥取県の自殺者数が「100人」に増えたので、自殺者が100人以下の都道府県は無くなりました。

  1. 鳥取 100人
  2. 島根 119人
  3. 徳島 123人
  4. 高知 126人
  5. 福井 132人
  6. 佐賀 139人
  7. 香川 160人
  8. 山梨 182人
  9. 奈良 187人
  10. 石川 199人

「自殺死亡率」での比較

都道府県ごとの人口の差は大きいため、自殺者数だけで比較すると、傾向を見誤ってしまいます。

そのため「人口10万人当たりの自殺者数」を「自殺死亡率」と定義し、都道府県間の比較に用います。

つまり、「自殺死亡率」が高いと、人口に対して自殺者が多いことを表します。

2016年の日本全国の自殺死亡率は「16.8」でした。これは、昭和53年(1978年)に自殺統計が始まって以来、最小となっています。

「自殺死亡率」を都道府県別にみると、30都道府県で下がり、17県で上がりました。

自殺率が上がった特に、「鳥取」と「三重」は、自殺死亡率が大きく上昇しており、対策が望まれます。

「自殺死亡率」が高い県は、「秋田」「青森」「山梨」でした。

「秋田」は、昨年に続き、自殺死亡率が一番高い県となっています。

秋田の自殺死亡率は「24.3」で、4,115人に1人が自殺していることになります。

  1. 秋田 24.3
  2. 青森 22.1
  3. 山梨 21.9
  4. 岩手 21.7
  5. 愛媛 21.1
  6. 和歌山 21.1
  7. 新潟 20.7
  8. 富山 20.5
  9. 福島 20.1
  10. 栃木 20.0

都会は自殺者数は多いが、自殺率は低い

逆に「自殺死亡率」が低かった都道府県は、「大阪」「奈良」「神奈川」でした。

一番低い「大阪」の自殺死亡率は「13.6」でした、7,352人に1人の割合です。

自殺者数が一番多い「東京」も、自殺死亡率は「15.7」で、全国平均の16.8を下回っています。

都会は、自殺者数は多いのですが、人口も多いため、自殺死亡率は低いのです。

  1. 大阪 13.6
  2. 奈良 13.8
  3. 神奈川 14.0
  4. 京都 14.1
  5. 岡山 14.3
  6. 愛知 15.3
  7. 東京 15.7
  8. 千葉 15.8
  9. 滋賀 16.1
  10. 埼玉 16.2

SNSなどの窓口を利用しよう

自殺の原因は、1つだけではなく、いくつかの原因が重なりあうことが多く、その背景は複雑です。

厚労省でも、自殺問題専用のホームページを用意しており、相談窓口や自殺対策の案内などを行なっています。

周囲の人に相談しにくいような状況に追い込まれたときは、まず、これらのホームページを利用して、相談窓口にコンタクトしてみましょう。

SNSで相談できる団体もたくさんあります。

誰かに相談するという行動が、自殺から遠ざかるための第一歩です。

【お知らせ】この記事は2018年3月18日に内容を更新しました。

[シニアガイド編集部]