一人暮らしの半分以上は「年金では生活費がまかなえず、老後が非常に心配」と考えている

[2017/11/13 00:00]

「単身世帯」と「2人以上の世帯」が考える老後の姿

お金に関する情報を提供している「金融広報中央委員会」が、2017年の「家計の金融行動に関する世論調査」の結果を公開しています。

この調査は、数千人規模のしっかりした内容で、公的なデータとしても良く引用されます。

また、一人暮らしの「単身世帯」と、「2人以上の世帯」のそれぞれについて調査しているのが特徴です。

一人暮らしの半分は、老後の生活を非常に心配している

ここでは、「老後の生活に対する不安」について紹介します。

「老後の生活に対する不安」について、一人暮らしと2人以上の家庭では、大きな差があることがわかりました。

一人暮らしでは、「非常に心配である」という人が51%と半分を超えています。

しかし、2人以上の家庭では「非常に心配である」は38%と、10%以上下がっています。

2人以上の家庭では、その分「多少心配」と「心配していない」が増えています。

出典:データを基に編集部が作成

2人以上の家庭では、不安の理由がはっきりしている

「老後の生活が心配な理由」でも、一人暮らしと2人以上の家庭では違いが表れています。

一番多い項目は、一人暮らしでは「金融資産が十分ではない」ですが、2人以上の家庭では「年金や保険が十分ではない」の方が多くなっています。

ほとんどの項目で、一人暮らしの方が、心配な理由としている割合が低くなっています。

一人暮らしの人は、漠然とした老後への不安があるものの、理由まではあまり考えていないように見受けられます。

一方、2人以上の家庭では、老後の不安の理由が具体的で、はっきりしている人が多いようです。

出典:データを基に編集部が作成

一人暮らしの半分以上が「年金では生活費がまかなえない」と思っている

「年金に対する考え方」でも、一人暮らしの方が悲観的な見方をしています。

「生活費がまかなえない」という人の割合は、一人暮らしでは58%ですが、2人以上では45%に下がります。

ただし、2人以上の家庭でも「不自由なく暮らせる」と考えている人は4%しかいません。

多くの人は、「ゆとりはないが、日常の生活費はまかなえる」と考えています。

出典:データを基に編集部が作成

老後の収入源は「公的年金」と「働いたお金」が柱

「老後の収入源」で一番多い回答は、一人暮らしも2人以上の家庭でも「公的年金」でした。

ただし、2人以上の家庭では「公的年金」という回答が80%ありますが、一人暮らしでは56%しかありません。

二番目に多いのは「就業による収入」でした。半分弱の人は、働き続けることを考えています。

公的年金と、働き続けることによる収入の2つが、老後の柱と言えるでしょう。

なお、2人以上の家庭では、企業年金などの「私的年金」を挙げている人が多く、それなりに準備をしている様子がうかがえます。

一方、一人暮らしでは生活保護などの「国や市区町村などからの公的援助」や、「利子配当所得」を想定している人が多く、少し現実感が薄い印象です。

出典:データを基に編集部が作成

家族がいると準備を迫られる

調査の結果を見ると、老後の生活全般についても、公的年金についても、一人暮らしの人は大きな不安を持っていることが分かります。

しかし、何が不安かと聞くと、2人以上の家庭では具体的な理由が出てきますが、一人暮らしの人はそれがはっきりしません。

老後に対する不安は抱えているが、何が足りないかとか、どうすれば良いかということを具体的に考えることは避けているようにさえ見えます。

2人以上の家庭の場合、家族のことを考えると、ある程度の準備はして置かなければならないという圧力があり、少しずつでも準備が進むのでしょう。

また、少なくとも家族がいるということで、多少は不安がやわらぐという効果があるのかもしれません。

[シニアガイド編集部]