けっきょく、年金っていくらもらえるの?

[2015/8/31 16:43]

年金って大騒ぎするほど貰えるものか?

個人情報の漏洩、マクロ経済スライドによる実質目減りなど、相変わらずネガティブな話題の多いのが「年金」です。テレビでは、年金破綻説も声高に語られています。

しかし、そもそも年金は、生活のあてになるほどたくさん貰えるのでしょうか。年金が貰えるようになったら、晴れて仕事をせずに悠々自適に暮らせるのでしょうか。

会社員と専業主婦のモデルで約23万円

年金がいくら貰えるのか、家族構成や加入している年金によって、だいたいの金額は分かります。計算しやすいように、一度も欠けることなく40年払い続けたとします。

例えば、夫が平均的な収入の会社員、妻が専業主婦という、かつての一般的なモデルで貰える年金は月に約23万円とされています。

夫が自営業で、夫婦とも老齢基礎年金だけならば約13万円になります。

独身の会社員は約16万円、独身の自営業は約6万円です。

思っていたよりは貰える金額が少ないというのが正直な感想ではないでしょうか。

「ねんきん定期便」の数字の秘密

自分の年金額を、正確に知るためには「ねんきん定期便」を使います。

「ねんきん定期便」は、自分の誕生月に日本年金機構から届きます。これに、「これまでの加入実績に応じた年金額」が書かれています。

ところが、50歳未満の場合、ここに書かれている年金額は、その時点で年金の加入を止めた場合の金額であって、将来的に働き続けたときに貰える金額ではありません。こんなに少ないなら、払わない方がマシと勘違いしないように気をつけましょう。

現在までの状態を、そのまま続けた場合に年金額がいくらになるかは、ねんきん定期便に同封されているシートを使います。ただし、60歳までの期間をどう過ごすからで、年金額は大きく変わりますので、30代以下の人がシミュレーションを行なっても、あまり意味がありません。

なお、50歳以上になると、ねんきん定期便に書かれている数字が、このままの収入水準が60歳まで続いた場合の年金見込額になります。こちらの数字は、確度の高い情報ですから、老後の生活をシミュレーションする際の基本となります。

なお、ねんきん定期便が手元にない場合は、日本年金機構の「ねんきんネット」で確認することができます。

生活を見直すきっかけに

自分の年金額がわかっても、それだけで暮らせない金額であれば、働き続けるか、貯金などで資産を形成するなどで補う必要があります。いずれにしても自分の今の生活と将来の設計を考えなければなりません。

とくに50歳以上の方は、リアルな自分の年金額を確認して、自分の暮らしを見直すきっかけにしましょう。

[シニアガイド編集部]