地震で死なないために、子供部屋と寝室を片付けよう
安心して寝られる寝室が必要
日本は地震が多い地域にあり、大きな震災を常に意識しておく必要あります。
大きな震災は、建築だけではなく、多数の犠牲者をもたらします。震災の特徴によって、犠牲者の死因も変わります。関東大震災は「焼死」、阪神淡路大震災は「圧死」、東日本大震災は「溺死」が一番多い死因でした。
阪神大震災では早朝の睡眠中に地震が起きたため、家屋や家具によって圧死される方が多かったのです。実に、死者の4分の3が圧死でした。
人が1日8時間寝るとすると、1日の3分の1は寝室で過ごしていることになります。つまり寝ている間に地震が起こる確率は高く、しかも寝ている間は無防備です。
あなたと家族のために、地震に強い、安心して寝られる寝室を作りましょう。
できるだけ家具を置かない
倒れたタンス、動きまわるピアノ、水平に飛んでくるテレビなど、震災の体験記は家具の危険性を伝えてくれます。大きな地震では、家具は凶器に変わります。
寝室に家具を置くことはできるだけ避けましょう。どうしても置く場合は、かならず固定しましょう。
家具を固定しておくことは重要な地震対策です。
ホームセンターなどで売っている市販の金具を使えば家具をしっかり固定することができます。壁や柱、鴨居にねじ釘を打ち込み、金具、鎖やベルトを使って家具と固定します。
この時、壁や柱の丈夫な部分に打ち込むことが大事です。壁の板が薄い場合には裏側に補強の柱が入っている部分を探して打ってください。
突っ張り棒は正しい使い方がある
賃貸住宅などで、壁や天井を傷つけたくない場合は、突っ張り棒が便利です。
しかし、突っ張り棒を支えられるのは天井を支えている「梁(はり)」と呼ばれる木材の部分だけです。梁と梁の間の薄い板だけの部分では支えきれません。
突っ張り棒を設置するときは、天井を叩いて、音で梁の位置を確認しましょう。
落下しにくい照明器具を
寝室に使う照明器具は、落下しにくいシーリングライトがおすすめです。シーリングライトのカバーをアクリル製にすれば、割れて飛散する心配もありません。
どうしても、ペンダントやシャンデリアなどの吊り下げ式照明器具を使う場合は、ワイヤーやチェーンを追加して落下を防ぎます。
子供部屋は最優先で
お子さんがいる家庭では、子供部屋の震災対策を優先しましょう。大人から見れば低い家具でも、子供の目線から見えれば危ない家具かもしれません。
床に座ったり、四つん這いになって、子供と同じ低い視線から家具を見直してましょう。
老人世帯などには無償支援がある
多くの市区町村では、家具転倒防止対策について支援策を用意しています。
支援が受けられる条件は地方自治体によって異なり、「65歳以上のみの家庭」や「要介護認定を受けている家族がいる家庭」などが多くなっています。
家具転倒防止器具は、1つの家庭で3個ぐらいまで支援されるので、寝室の安全対策には十分です。
東京都の場合、市区町村ごとのリストが用意されています。この記事の末尾にあるリンクをたどってください。
教訓を生かすことが、生き残った者の責任
震災の教訓は、震災でお亡くなりになった多数の方々が残してくださったものです。その教訓が生かされるように努めましょう。
最後に、これまでに起きた震災でお亡くなりになられた多くの方々のご冥福をお祈りいたします。
【お知らせ】この記事は2017年8月30日に内容を更新しました。