住んでいる土地の天災リスクが分かる地図【東京編】

[2015/9/1 13:23]

どんな土地に住んでいるのか確認しよう

家を買うときや借りるときは、建物や間取りの他に、通勤通学のしやすさや、もより駅からの距離、買い物のしやすさなどの立地条件に注目します。

もう1つ、その建物がどんな土地に建っているのかということも確認しておきましょう。その土地がどんな性格なのかを知っておくと、思わぬ災害を避けることができます。

今回は、東京都の土地の性格がわかりやすい地図を紹介します。

土地の高低が色で分かる地図

航空レーザ測量(国土地理院)
http://www.gsi.go.jp/kankyochiri/Laser_map.html

最初に見ておきたいのが、国土地理院が公開している「1:25,000 デジタル標高地形図」です。航空レーザ測量による精密な地面の高さを2万5千分の1地図に重ねたものです。見方は簡単で、標高の高い部分が茶色の暖色系に、標高の低い部分が青色の寒色系で彩色されています。

一言で言えば、青の濃い部分は水面よりも低い土地で、水害などのリスクが高くなります。

また、東京の場合、西側の台地は以前から陸だったところですが、東側の青い部分はもとは海や川だったところです。西と東を比べると、東の低地は地震の際に揺れが大きくなりやすいと言えます。

この地図は、地名が読みにくいのですが、JRの路線や川の水路をたどると、自分の探している場所が見つけやすいです。別ウィンドウでGoogle Mapなどを開いておくと良いでしょう。

東京以外に、名古屋、濃尾平野西部、大阪、福岡、高知の地図が公開されています。

その土地が液状化しやすいかどうか色で分かる地図

東京の液状化予測図(東京都土木技術支援・人材育成センター)
http://doboku.metro.tokyo.jp/start/03-jyouhou/ekijyouka/index.htm

その土地が液状化しやすいかどうかを表示している地図です。

ピンクは「液状化の可能性が高い」、黄色は「液状化の可能性がある」、緑は「液状化の可能性が低い」土地です。

これは、もともとの土地の素性を表しているので、地盤改良工事などによって液状化対策がされているかどうかはわかりません。このあたりは誤解を招きやすいところなので、「利用上の注意」を良く読んでください。

地震の時の危険さが分かる情報

地震に関する地域危険度測定調査(第7回)|東京都都市整備局
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_6/home.htm

都内の各地域における地震に関する危険性を、建物の倒壊及び火災について測定して、危険度が高い地域を濃い色で表示した地図です。

地盤よりも、そこに建っている建物によって危険度が変わります。危険とされている地域は木造家屋が密集しており、道路の幅が狭い地域が多いようだ。

地図の下の方に、地区名別の危険度一覧や、区単位の危険度マップも用意されているので、一緒に見ておきましょう。

水害の危険度が分かるハザードマップ

洪水ハザードマップ|東京都建設局
http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/suigai_taisaku/index/menu03.htm

東京都のほとんどの市区では、洪水ハザードマップを公開しています。公開は市区単位なので、ここではリンクを集めたページを紹介しています。

同じ水害でも、河川の氾濫や大雨など、状況によって浸水の仕方が変わります。目的の市区のページに飛ぶと、複数のハザードマップが用意されていることが多いので、見比べてみてください。

土地だけでは危険性は分からない

いくつかの地図を紹介してきましたが、これはあくまでもその“土地”の素性を知るための情報です。例えば、地震に対する危険度は、その土地の上に、どんな“建物”が建っているかということに大きく左右されます。不利な土地だからといって避けていると選択肢が狭くなります。

たとえばマンションを買うのであれば、「この区のハザードマップでは、この土地は揺れやすいとされていますが、このマンションの震災対策はどうなっていますか」と業者に聞いてみてください。

とくに高層マンションでは不利な宅地があっても、大掛かりな土地改良工事や耐震対策でカバーされています。納得がいくまで確認しましょう。

家や土地は大きな買い物なので、慎重に行ないたいものです。今回のまとめが、各要素のバランスを考えて決断する一助になれば幸いです。

[シニアガイド編集部]