散歩に撮影に、手近で楽しめる都立の庭園

[2015/9/1 14:43]

東京都に引き継がれた歴史のある庭園

東京都には、都立の庭園が9つあります。

都立庭園は、古くからの庭園や邸宅を引き継いだものが多く、都内とは思えない広々とした雰囲気が味わえます。

年末年始や桜の開花時期には、特別イベントも用意されています。お出かけの前にリンク先の情報をご確認ください。

広々として海も近い「浜離宮恩賜庭園」

浜離宮恩賜庭園(中央区)
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index028.html

潮入の池と二つの鴨場をもつ江戸時代の代表的な大名庭園です。潮入の池とは、海水を導き潮の満ち干によって池の趣を変えるもので、海辺の庭園で通常用いられていた様式です。

海も近く、広々とした気持ちの良い庭園です。ゆりかもめや地下鉄大江戸線の駅から近いので、お台場で遊んだ帰りに立ち寄るのに向いています。

JRの駅に近く、大きな池のある「旧芝離宮恩賜庭園」

旧芝離宮恩賜庭園(港区)
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index029.html

江戸初期の大名庭園の一つで、回遊式泉水庭園の特徴をよくあらわしたロケーションです。

JR浜松町駅のすぐ近くで、行きやすい庭園です。大きな池を中心とした回遊式泉水庭園の周辺は、美しい水辺や緑の景観が楽しめ、記念写真やスナップの背景に向いています。

東京ドームが近い、ひっそりとした空間「小石川後楽園」

小石川後楽園(文京区)
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index030.html

「水戸黄門」の別名で知られる水戸光圀公の代に完成した庭園です。庭園は池を中心にした「回遊式築山泉水庭園」になっており、随所に中国の名所の名前をつけた中国趣味あふれる庭園です。

東京ドームと背中合わせのような位置にありますが、入口は東京ドームの反対側です。東京ドームは水道橋駅がもよりですが、小石川後楽園は飯田橋駅がもよりです。

街なかにある大名庭園「六義園」

六義園(文京区)
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index031.html

庭園は中の島を有する大泉水を樹林が取り囲み、紀州(現在の和歌山県)和歌の浦の景勝や和歌に詠まれた名勝の景観が八十八境として映し出されています。

六義園は、JR駒込駅から徒歩7分という街なかにありますが、周囲から隔絶した、おだやかな空間が味わえます。周囲にビルが増えてきたので、撮影時には写り込まないように注意しましょう。

下町にある明治の庭園「清澄庭園」

清澄庭園(江東区)
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index033.html

泉水、築山、枯山水を主体にした「回遊式林泉庭園」です。この地の一部は江戸の豪商・紀伊國屋文左衛門の屋敷跡と言い伝えられています。

明治に岩崎弥太郎が造園したものが、現在の基礎となっています。大きな池を中心とした庭園で、正面から見た池は、実際の敷地よりも広々とした印象です。大江戸線を利用すると行きやすい庭園です。

洋館も庭も楽しめる「旧古河庭園」

旧古河庭園(北区)
https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index034.html

北側の小高い丘には洋館を建て、斜面には洋風庭園、そして低地には日本庭園を配したのが特徴です。洋館と洋風庭園の設計者は、英国人ジョサイア コンドル博士です。日本庭園の作庭者は、京都の庭師植治こと小川治兵衛(1860~1933)の手によるものです。

レンガ造りの洋館と、和洋の庭園が楽しめるコンパクトなお屋敷です。洋風庭園から見上げた洋館の姿は一見の価値があります。同じ駒込駅の周辺ですが、六義園とは反対側なので、はしごする方は注意してください。

洋館の美しさが楽しめる「旧岩崎邸庭園」

旧岩崎邸庭園(台東区)
https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index035.html

旧岩崎邸庭園は1896年(明治29年)に岩崎彌太郎の長男で三菱第3代社長の久彌の本邸として造てられました。木造2階建・地下室付きの洋館は、鹿鳴館の建築家として有名な英国人ジョサイア・コンドルの設計で近代日本住宅を代表する西洋木造建築です。

旧岩崎邸庭園の見どころは洋館です。本格的な西洋建築で、壁や天井にほどこされた細かい装飾に注目しましょう。

花の咲く草花鑑賞を中心とした「向島百花園」

向島百花園(墨田区)
https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index032.html

百花園は江戸時代に作られた民営の庭園を引き継いだものです。庶民的で、文人趣味豊かな庭として、小石川後楽園や六義園などの大名庭園とは異なった美しさをもっています。

ウメ、ハギが多く、春の七草、秋の七草などもにぎわいます。

今に残る武蔵野の別荘「殿ヶ谷戸庭園」

殿ヶ谷戸庭園(国分寺市)
https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index036.html

殿ヶ谷戸庭園は、大正期に個人の別荘として整備されました。段級の崖にできた谷を利用した回遊式林泉庭園で、崖の上の芝生と、谷あいの湧水池の対比が面白い庭園です。

庭園内の雑木林は、かつての所有者である岩崎家が好んだカタクリが多く、武蔵野らしいカタクリやニリンソウもあります。

[シニアガイド編集部]