医療費が10万円を超えたら「医療費控除」を申請しよう

[2015/9/1 19:06]

医療費が10万円を超えたら税金が戻ってくる

病気やケガなどで入院や通院をすると、医療費がかさみます。

年間の医療費が10万円を越えたら、税務署に確定申告をして、医療費控除を受けましょう。

その年に支払った、所得税から、医療費に応じた金額が還付されます。

領収書をまとめて、Excelに入力しておく

医療費控除の対象となるのは、その年に支払った医療費です。

この場合の医療費は、自己負担分のうち、治療にかかった金額です。入院の際の差額ベッド代や、健康維持のためのサプリ代などは対象になりません。

支払いの証明のための領収書は、必ず必要です。医療関係の領収書は場所を決めて、保管する習慣をつけましょう。

また、医療費は本人の分だけではなく、生計を一にする配偶者や家族の分はまとめられます。家族の中で一番収入が多い人が申告しましょう。もどってくるお金が増える可能性があります。

国税庁のWebサイトに、医療費控除申請用のExcel形式のファイルが用意されています。これに領収書のデータを記入すると、自動的に控除額を計算してくれます。1ヶ月に1回ぐらいのペースで入力しておくと入力漏れがありません。

医療費控除は確定申告が必要

医療費控除は確定申告が必要です。給与所得者でも、年末控除では処理してくれません。

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」などを利用して、確定申告をしましょう。

確定申告の期限は、翌年の2月中旬から3月中旬です。ただし、給与所得者が、医療費控除だけを申告する場合は、この期限の前でも受け付けてくれます。

なお、申告は、その年の分だけではなく、過去5年分については、さかのぼって申告することができます。税務署の窓口で相談してみましょう。

保険金がからむと間違えやすい

医療費控除の申告は手間はかかりますが、単純作業が多いので、そんなに難しくありません。ただし、大きな保険金が入った場合は注意が必要です。

医療費控除の対象となるのは「支払った医療費から生命保険などで補填された金額を引いた金額」です。

気をつけたいのは、補填された金額は医療費全体から引くのではないことです。「その給付の目的となった医療費の金額を限度」なのです。

たとえば、夫がある疾病で1回入院して20万円の医療費がかかり、他の家族の医療費が20万円かかったとします。

つまり、全体で40万円の医療費がかかりました。ここに、夫が加入していた保険から50万円の保険金が入ったとします。

この場合、夫の医療費20万円のみが、保険金によって補填された医療費となります。つまり、他の家族の医療費20万円は医療費控除の対象となります。

医療費が20万円あれば、普通は10万円を引いた10万円が控除額となります。所得税率を10%としても、1万円返ってくる計算です。

住民税も安くなる

なお、確定申告した内容は、所得税の計算だけではなく、翌年の住民税の計算にも使われます。

つまり、医療費控除を申告すると、翌年の住民税額も安くなります。ちょっと面倒でも、まずは領収書の保管から始めましょう。

[シニアガイド編集部]