お葬式の後に行なわれる法要のスケジュール
「法要」は故人を偲ぶ行事
誰かが亡くなられた場合、その遺族は「施主(せしゅ)」を中心に、故人を偲び冥福を祈る行事として「法要(ほうよう)」を行なうのが、日本では一般的です。
法要は、「法事(ほうじ)」とも呼ばれ、命日を起点とする特定の日に行ないます。
法要は、命日から四十九日までの「忌日法要(きびほうよう)」と、それ以後の祥月命日に行なう「年忌法要(ねんきほうよう)」に分かれます。
法要は日本仏教に固有の部分が多く、また地域によって行なわれる行事に大きな差があります。ここでの説明は、ごく一般的な例として考えてください。
命日から7日単位で行なう「忌日法要」
葬儀が終わったあと、故人が亡くなった日である命日から7日ごとに「忌日法要」を行ないます。
本来は7日ごとに7回の法要を行なうのですが、現在では「初七日」と「四十九日」だけ行なうのが主流です。さらに、葬式の際に初七日の法要を行なってしまうことも増えてきました。
四十九日までは「忌中(きちゅう)」ですので、結婚式などのお祝いごとへの出席や、神社への参拝は控えることになっています。しかし、以前に比べて忌中を気にすることは少なくなっており、会社の行事への参加や友人の結婚式への出席なども見かけるようになりました。
四十九日は「忌明けの法要」とも言います。一つの大きな区切りとなる日で、墓への納骨、白木の仮位牌から本位牌への交換、葬儀の時に封じた神棚封じを解くなど、いくつも行事があります。
初七日と四十九日以外では、「百箇日法要(ひゃっかにちほうよう)」を行なう場合があります。この法要は「卒哭忌(そつこくき)」とも呼ばれ、嘆き悲しむことに区切りをつけるという意味があります。地域によっては本位牌への交換は百箇日を待ちます。
日付に注意が必要な初盆
忌が明けてから迎える最初のお盆を「初盆(はつぼん)」または「新盆(にいぼん)」と呼び、法要を行ないます。
お盆の時期は、郷里に帰省する方も多いので、故人の知己を招くこともあります。
お盆はもともと旧暦の7月15日に行なわれていた行事ですが、明治時代に新暦に切り換えられてから、地域によって対応が分かれました。
新暦の8月15日に行なわれる地域が多いのですが、東京と横浜のように新暦の7月15日に行なう地域や、沖縄のように旧暦の7月15日(旧盆)に行なわれる場合もあります。
これらの地域の初盆に参加する場合は、念のために新暦での開催日を確認しておきましょう。
年単位で行なう「年忌法要」
「年忌法要」は、命日と同じ月で同じ日の「祥月命日(しょうつきめいにち)」に行なわれる法要です。ただし、最近では祥月命日ではなく、同じ月の週末など集まりやすい日に移して行ないます。
年忌法要は「一周忌」「三回忌」「七回忌」「十三回忌」「三十三回忌」を行なうのが一般的です。
最初の年忌法要である一周忌は命日の1年後に行なわれます。とくに、一周忌までは「喪(も)」の期間であり「喪中(もちゅう)」と言います。喪中は年賀状などの正月行事を控えます。
一周忌は命日の1年後ですが、三回忌からは数え歳で数えるため命日の2年後となります。同様に7回忌は命日の6年後です。
一周忌と三回忌は、個人の知己や親族など広い範囲の人を招きます。七回忌以降は家族と親しい親族だけで内輪に行なうのが通例です。
法要の終わり
年忌法要は、本来は遠忌(えんき)とも呼ばれる「五十回忌」で故人の法要を終わり、「弔上げ(とむらいあげ)」としていました。しかし、最近では三十三回忌で弔上げとしますし、それ以前の七回忌や十三回忌で年忌法要を終わりにする場合もあります。
また、忌日法要である四十九日に行なう行事についても、地域ごとの差があります。
このように法要は、その地域や家の慣例、檀那寺(だんなじ)の宗旨宗派によって左右されるところが大きいのです。施主は、年長の家族や檀那寺の僧侶と、法要の内容について、よく相談する必要があります。
主な法要の日程
以下は、現在の日本で行なわれることが多い法要の日取りです。ただし、お盆は地域によって日取りが異なりますのでご注意ください。また、年忌は祥月命日に行なうのが基本ですが、遺族が集まりにくいなどの理由で、帰省しやすい週末や長期休暇の際に執り行なわれることが増えています。
- 初七日:命日も含めて7日目
- 四十九日:命日も含めて49日目
- 百箇日: 命日を含めて99日後
- 新盆:四十九日が終わって初めてのお盆
- 一周忌:命日から満1年目
- 三回忌:命日から満2年目
- 七回忌:命日から満6年目
- 十三回忌:命日から満12年目
- 三十三回忌:命日から満32年目
- 五十回忌:命日から満49年目