検索を使いこなして図書館を楽しもう
大きく変わった21世紀の図書館
「高校や大学を卒業してから、図書館と縁が遠くなった」とおっしゃる方が多いが、ここ10年ほどで各地の公共図書館は大きく変化しました。
とくに、蔵書検索システムの導入により、本を探すことがとても簡単になったのが大きいでしょう。
ここでは、今の図書館のシステムをざっと説明しましょう。
検索できるようになって生まれ変わった図書館
図書館が変わった点はたくさんありますが、特に「OPAC」と呼ばれる蔵書検索システムが、インターネット上から利用できるようになってから使いやすくなりました。
自宅から図書館のWebにログインして、必要な書籍を検索して予約します。図書の検索は、開架式の棚や閉架式の所蔵庫だけでなく、同じ区内の図書館全体に及びます。それどころか、指定すれば近隣の区や、国会図書館の本まで検索して、地元の図書館の窓口まで届けてもらえます。
図書館に本が用意できた段階で、メールによるお知らせが届くので受け取りに行く。本の貸出もカードリーダーを使ったセルフシステムが用意されているので、自分で処理できます。
本を返却する際も、返却口に本を投函するだけで、投函口に用意された磁気リーダーが本の情報を読み取って処理してくれます。
本を借りる手間も返す手間もだいぶ軽くなったので、調べ物をするときに図書館の本に頼ることが増えました。
CDやDVDも検索できる
また、多くの図書館では、CDやDVDもかなり保有しています。これについても本と同じように検索できるので、とても便利になりました。
CDは曲名単位で検索できるので、昔懐かしい音源がかなり見つかります。
ベストセラー本が検索しやすいカーリル
カーリルは2010年にサービスが始まった図書館蔵書の検索サイトです。
当初は、複数の図書館の蔵書をまとめて検索できるのが特徴でした。いまでは全国6,000以上の図書館の蔵書が検索できます。
また、カーリルはAmazonのデータを活用しており、その本の特徴や評価の一部、ベストセラーリストが閲覧できます。
自分の使う図書館を指定しておき、ベストセラーのリストをみれば、それらの本がその図書館にあるかどうかを検索してくれます。蔵書があれば、貸出をクリックすれば、図書館のホームページが開くしかけです。
図書館の検索システムは、自分が何を探しているいるかわかっている人に便利な仕組みです。それに対して、カーリルは「何か面白い本をさがしに本屋に行く」感覚のシステムです。
図書館の検索システムに物足りなさを感じている方は、一度、カーリルを試してみてください。
棚を見る楽しみ
検索の話ばかりになりましたが、図書館のもう1つの楽しみは、開架式の長い棚にたくさんの本の実物が並んでいることです。
何かテーマをもって、あるジャンルの棚を見ている時に、検索システムでは気が付かなかった本がひょっこり並んでいることがよくあります。隣同士に近い種類の本が並んでいることによって、そのジャンルの輪郭が輪郭がイメージできることもあります。
そういうときは、単なる背表紙の並びではなく、「棚」を見ているのだと思います。
こういう体験はリアルに本が並んだ開架式図書館ならではの楽しみです。
ぜひ、みなさんも地元の図書館へ足を運んで、棚を見る楽しみを感じてください。