家族を看取る前に読んでおきたい無償公開パンフ
家族の最後を見送る覚悟は難しい
入院中の家族が、「終末期」と宣言され、最後を看取る準備が必要になるときがあります。
私にも、そういう経験がありますが、家族が死ぬということ事態がうまく飲み込めず、いつのまにか状況が切迫して、死去を迎えてしまいました。
そのときは慢性の病気だったにもかかわらず、やがて来る家族の死に向き合っていなかったのでしょう。まるで事故で急死したようなショックを受けました。
病院からは、何をどう準備するべきなのか、どういう心構えをすれば良いのかという説明はありませんでした。何かパンフレットのようなものを渡されて、説明していただく時間があったら看取りに向き合うきっかけになったのにと思います。
少しずつ覚悟を決めるために読むパンフ
最近、全国国民健康保険診療施設協議会(国診協)という公益社団法人が、終末期の家族に向けてパンフレットを作り、PDFファイルとして無償配布していることを知りました。
これは、2013年に「終末期にある者とその家族支援に関する事業」の一環として行なわれたものです。
現在公開されているのは、次のファイルです。
- 活動報告書
- エンディングノート「いきいきと生きて逝くために-自分の最期を考えること-(国診協版生きて逝くノート)」
- ケアシート・カンファレンス記録「生きて逝くシート」
- 「在宅での看取りに関する手引き」
- 「施設での看取りに関する手引き」
- 「病院での看取りに関する手引き」
- 「住民向け講演用パワーポイント」
- 付属「生きて逝くノート(家族編)」
とくに読んでいただきたいのが、コンパクトな「生きて逝くノート」と「生きて逝くノート(家族編)」です。記入欄を除けば読むべきページ数が少ないので、両方に目を通しておくと良いでしょう。
「看取りに関する手引き」は、在宅、施設、病院の3つの場所で看取る場合の手引として十分な内容になっています。「看取りに関する手引き」は医療スタッフ向けの内容で、ページ数が多くなっていますが、家族に関わる部分を拾い読みするだけでも良いでしょう。
なお、「生きて逝くノート」については、印刷物としても頒布されています。1部140円で、1部の場合の送料は205円です。
人生の最期の段階については、去る側も看取る側も、ほとんど経験がなく手探りの状態になったり、顔をそむけてしまいがちです。
準備と覚悟がない状態で死を迎えると、死去の際の衝撃が後まで残ります。早すぎると感じるぐらいの時期から、少しずつ準備しておきましょう。