三ヶ日みかんも入ってる「機能性表示食品」の特徴
食品に機能性を表示
2015年4月に「機能性表示食品」という制度が始まりました。
これは、「おなかの調子を整えます」などの食品の機能性を表示するための制度です。
同じような制度として、特定保健用食品(トクホ)と栄養機能食品があります。トクホは国の審査が必要ですし、栄養機能食品はミネラル類とビタミン類に規格が限られています。
それに対して、機能性表示食品は「安全性の確保を前提とし、科学的根拠に基づいた機能性が、事業者の責任において表示されるもの」です。つまり、トクホと異なり、国は審査を行なっていません。
つまり、トクホよりも緩い基準で、食品の機能表示ができる制度と思って良いでしょう。
生鮮も含めて90商品が届け出
「機能性表示食品」について消費者庁に届け出られた情報は、消費者庁のホームページで公開されています。各製品について、機能の科学的根拠や健康被害の情報収集体制などが書かれています。
掲載されている商品数は、2015年9月16日現在で91個です。1つ届け出を撤回している製品があるので、実数は90個となります。制度が始まって半年にしては多いといえるでしょう。
ちなみに届け出を撤回したのは、森下仁丹「ヒルベリー」でした。撤回理由は「当該商品の機能性表示食品届出書に転記ミスがあり、機能性関与成分の一日摂取量を誤っておりました。新たに届出を提出するため、既に受理されております現届出(届出番号A18)を撤回いたします」と発表されています。
少し、届出書類の内容を読んでみました。「食品の区別」について「サプリ」「その他加工」「生鮮」とあり、「生鮮」が入っているところが新鮮です。
現時点で、「三ヶ日みかん」と「大豆イソフラボン子大豆もやし」の2つの製品が「生鮮」で届け出されています。届け出内容の一部を写してみましょう。項目は、商品名、届出者、機能性関与成分名、表示しようとする機能性の順です。
・三ヶ日みかん、三ヶ日町農業協同組合、β‐クリプトキサンチン、本品には、β‐クリプトキサンチンが含まれています。β‐クリプトキサンチンは骨代謝のはたらきを助けることにより、骨の健康に役立つことが報告されています。
・大豆イソフラボン子大豆もやし、株式会社サラダコスモ、大豆イソフラボン、本品には大豆イソフラボンが含まれます。大豆イソフラボンは骨の成分を維持する働きによって、骨の健康に役立つことが報告されています。
「まぁ、そうでしょうねぇ」というのが第一印象です。この調子ならば、意外と多く「生鮮」が届け出されそうな気がします。
健康
「機能性表示食品」について大事なことは次の3つです。
- 機能性を保証しているのは販売している事業者である
- 疾病に罹患していない人が対象(未成年、妊産婦、授乳婦を除く)
- 商品についての詳しい情報は消費者庁のホームページに掲載されている
少なくとも、健康な人向けの食品であり、薬の代用ではないことは覚えておきましょう。また、第三者が審査しているトクホよりも緩い制度による商品ということも覚えておいて損はないと思います。
消費者庁のパンフレットでは、「機能性表示食品」について3つのポイントを呼びかけています。
- まずは、ご自身の食生活をふりかえってみましょう。
- たくさん摂取すれば、より多くの効果が期待できるというものではありません。
- 体調に異変を感じた際は、速やかに摂取を中止しましょう。