病気で働けなくなったときに頼りになる傷病手当金制度

[2015/9/28 00:01]

社保や共済に用意されている手厚い制度

「傷病手当金」は、「社保」と呼ばれる被用者保険に用意されている制度です。具体的には、組合健保、協会けんぽ、公務員の共済組合などに用意されています。国民保険にはありません。

傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。

傷病手当金は、1年6カ月の長期間、給与の約3分の2が支給されます。この制度を知っていると、病気やケガで働けなくなったときに治療中の生活を支えることができます。ただし、申請しないと貰えない制度なので、忘れずに申請しましょう。

4日以上から1年6カ月間支給

傷病手当金を受給するためには、4つの条件があります。

  1. 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
  2. 仕事に就くことができないこと
  3. 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
  4. 休業した期間について給与の支払いがないこと

傷病手当金は、病気やけがで休んだ期間のうち、最初の3日を除き(これを待期といいます。)4日目から支給されます。その支給期間は、支給を開始した日から数えて1年6カ月です。

一般の企業では、短期の休業は休暇扱いとなります。病気による欠勤が多くなり、有給休暇を使いきってしまってからが傷病手当金の対象となります。

なお、一部の組合健保や共済では、傷病手当金付加金(付加給付)という制度が用意されています。この場合、傷病手当金の支給が終了してから、さらに6カ月から1年6カ月の間、同額の傷病手当付加金が支給されます。組合健保や共済に加給している方は、保険証に記載されている自分の健保組合のホームページをチェックしてください。

収入の約3分の2を保障

傷病手当金の支給金額は「標準月額報酬」が基本となっています。標準月額報酬は、保険料を計算する基本となっている数字で、支給されている給与をある幅で丸めたものです。

たとえば、月額の給与(報酬)が29万円から31万円の場合、標準月額報酬は30万円になります。

標準報酬日額は、標準報酬月額の30分の1に相当する額(10円未満四捨五入)です。つまり、標準報酬月額が30万円の場合、標準報酬日額が1万円となります。

傷病手当金は、1日につき被保険者の標準報酬日額の3分の2に相当する額(1円未満四捨五入)が支給されます。上の例で言えば、1日につき1万円×3分の2=6,667円(端数は50銭未満は切り捨て、50銭以上は切り上げ)となります。

これに休業した日数を掛ければ、それが支給額となります。休日(土・日曜日、祝日)も支払いの対象となります。つまり、まるごと1カ月働けない状態が続くのであれば、この例の場合は1日6,667円×30日で約20万円支給されます。

各種の保険や貯金と組み合わせれば、とりあえず闘病生活を支えることができる金額でしょう。

長期欠勤のときは忘れずに申請を

傷病手当金は、保険組合などに自分で申請しないと支給されません。

一般には、各保険団体に「傷病手当金支給申請書」という書式が用意されており、その書式に沿って記入を行ないます。申請書には医師の意見書や事業主の証明を受ける必要があります。また、請求期間にかかる出勤簿の写し及び賃金台帳の写しも必要です。

したがって、申請には勤務している会社の協力が不可欠です。病気やケガが分かった段階から、周囲の理解を得られるようにしておきましょう。

なお、会社を退職している場合も、1年以上勤務しており、一定の条件を満たしている場合は、傷病手当金の支給が受けられる場合があります。勤務していた会社または保険団体に問い合わせましょう。

傷病手当金の制度を知っていると、自分で加入する民間保険の保障額と掛金を抑えることができます。「万が一」を想定して保険を考えるときは、傷病手当金の有無や金額を確認してから判断しましょう。

[シニアガイド編集部]
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