老後のために、自分の平均余命を知っておこう

[2015/9/29 00:01]

自分に期待できる

自分という特定の個人がいつまで生きるのかということは、誰にもわかりません。分かっているのは、いつかは必ず死ぬということだけです。

しかし日本人全体についてみれば、統計的にあと何年ぐらい余命があるのかという期待値は計算されています。これを「平均余命」と言います。単位は「年」です。

この数字をまとめた表を「生命表」と言い、厚生労働省が毎年発表しています。

その年の生命表が公開されると、「日本人の平均寿命が~歳になった」というニュースが流れます。最新のデータは、平成26年(2014年)です。以下、とくに断らないかぎり、この年のデータを使用します。

2014年の日本人の平均寿命は男性が80.50歳、女性が86.83歳です。

この平均寿命から、今の年齢を引けば、平均余命が出そうな気がしますが、そうではありません。

なぜなら、平均寿命というのは、現在0歳の人の平均余命なのです。人の死亡率は幼少時の方が高いので、ある程度生き延びると、その人は平均寿命よりも長く生きる可能性が高くなります。

たとえば、50歳の男性の平均余命は32.18年です。つまり、50+32.18で82.18歳まで生きることが期待されます。平均寿命の80.50歳よりも、1.68歳長生きする見込みがあるというわけです。

もっと長生きして90歳になると、男性で4.35年、女性で5.66年の平均余命があります。平均寿命を越える水準まで長生きする方は、95歳前後まで生きる可能性が高いのです。

男女とも、以前に比べると、長寿者となる可能性が高くなっています。老後の生活設計を考えるときには、平均余命を考えに入れておきましょう。記事の下端に表を掲載してありますので、ご自分の平均余命を確認してみましょう。

その年令まで何割の人が生き延びるか

生命表のデータを使って、特定の年齢まで生存した人の比率も計算されています。つまり、ある年に生まれた人が、その年齢になるとどれぐらいの割合で生き残っているのかわかります。

男性では、40歳では98.1%が生き残っています。65歳で88.4%、75歳で74.1%、90歳で24.2%、95歳で8.7%となっています。

つまり、75歳でも3分の2が、90歳でも4分の1が生き残っています。

同様に女性では、40歳で98.9%、65歳で94.0%、75歳で87.3%、90歳で48.3%、95歳で24.4%となっています。

こちらは、90歳でも約2分の1、95歳でも4分の1が生き残る計算です。2分の1なら、かなり可能性は高いと言えるでしょう。

この数字の方が、平均余命よりも、自分がどこまで長生きする可能性があるかということを実感できるかもしれません。

主な年齢の平均余命(単位:年、出典:厚労省)

  • 現在の年齢 男性/女性
  • 0歳 80.50/86.83
  • 5歳 75.74/82.07
  • 10歳 70.77/77.09
  • 15歳 65.81/72.12
  • 20歳 60.90/67.16
  • 25歳 56.05/62.23
  • 30歳 51.21/57.32
  • 35歳 46.38/52.42
  • 40歳 41.57/47.55
  • 45歳 36.82/42.72
  • 50歳 32.18/37.96
  • 55歳 27.68/33.28
  • 60歳 23.36/28.68
  • 65歳 19.29/24.18
  • 70歳 15.49/19.81
  • 75歳 11.94/15.60
  • 80歳 8.79/11.71
  • 85歳 6.24/8.35
  • 90歳 4.53/5.66
[シニアガイド編集部]