お金がないときの国民年金保険料は、未納ではなく「免除」にしよう

[2015/10/6 18:11]

お金がないときは「免除申請」

フリーランス(自営業者)で働いていると、手持ちのお金が足りず、後回しになりがちな国民年金の保険料が払えなくなることがあります。

国民年金の保険料を払わないことを「未納」と言います。

未納の期間は、国民年金(老齢基礎年金)を貰うための「25年加入」の資格期間には入りません。

こういう場合に、保険料を免除してもらう「免除申請」を行なうと、免除された期間も資格期間に入ります。

しかも、全額免除されている場合でも、その月はゼロではなく0.5カ月として計算されます。これは、国民年金の半分は税金が負担しているからです。

つまり、同じ1年間保険料を払わなくても、未納だったら0のまま、全額免除なら6カ月分払った計算になるのです。手続き1つですむなら、そちらの方が良いでしょう。おまけに、未納の督促にわずらわされずにすみます。

ついでに、未納期間だともらえない「障害基礎年金」と「遺族基礎年金」についても、免除期間中であれば支給されます。遺族基礎年金の年額は、未成年の子が1人ある配偶者で1,004,600円が目安ですから、自分に万一のことがあった場合の保険代わりになります。

免除申請の条件

もちろん、免除申請をするためには所得の制限があります。

全額免除
扶養家族数+1×35万円+22万円
3/4免除
78万円+(扶養家族数×38万円)+社会保険料控除など
半額免除
118万円+(扶養家族数×38万円)+社会保険料控除など
1/4免除
158万円+(扶養家族数×38万円)+社会保険料控除など

よく、勘違いされているのですが、この金額は「所得」であって「収入」ではありません。

確定申告に慣れているフリーランスの方であれば、「所得」は収入から経費を引いた金額であることはご承知でしょう。扶養家族数や社会保険料控除にもよりますが、収入ではなく「所得」であれば免除申請は高い壁ではありません。

手元の確定申告書類を確認して、減免申請できそうなら、もよりの市区町村役場の国民年金担当窓口に相談しましょう。必要な書類が揃えば、日本年金機構のホームページからPDFファイルをダウンロードして、郵送で処理することもできます。

国民年金は納付月数が勝負

国民年金(老齢基礎年金)の計算は単純で、年金額×保険料の納付月数で計算します。

平成27年度の年金額は、年間780,100円です。これは20歳から60歳までの40年間漏れ無く保険料を納付した場合の金額です。

40年満期でなかった場合は、納付した月数を40年×12で割ります。

例えば、25年分で300カ月払っていた場合は、これを40年×12カ月の480カ月で割ると、0.625となります。

満額である780,100円に0.625を掛けた487,562円が、年間の年金額となります。

このように、国民年金は、規定の年金額に納付した月数を掛け算するだけなので、少なくとも0.5カ月分とカウントされる免除期間の月数が有効なのです。

なお、免除期間の月数は、1/4免除は7/8カ月分、半額免除は3/4カ月分、3/4免除は5/8カ月分、全額免除は1/2カ月分として計算されます。

もちろん業績が回復したときは、減免されていた保険金を追納することもできます。追納には期限がありますが、それができれば年金額も増えますから、検討してください。

[シニアガイド編集部]