結婚20年以上の夫婦だけが使える贈与税の配偶者控除で家を贈ろう

[2015/10/26 01:23]

不動産の贈与税が特例で安くなる

婚姻届を出した戸籍上の夫婦になってから20年経つと、贈与税の配偶者控除が使えるようになります。この控除は金額が大きいので、夫婦間で財産を分かち合う際に、とても重要な控除ですから覚えておきましょう。

簡単に言うと、「20年以上結婚生活を送っていた夫婦のどちらかが、もう一方に自宅を贈与した場合は、2,000万円まで控除され、贈与税がかからないか、極めて安くなる」という制度です。

主な特徴をまとめてみましょう。

  • 籍が入った婚姻期間が20年以上の夫婦が対象
  • 自分が住むための国内の居住用不動産、または居住用不動産を取得するための金銭が対象
  • 贈与税の基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除できる
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること
  • 同じ配偶者からの贈与については一生に一度しか使えない
  • 贈与した配偶者が、3年以内に亡くなっても、贈与された不動産は相続税の対象にはならない
  • 控除されるのは贈与税のみで、不動産の取得に関わる「不動産取得税」「登録免許税」などの税金はかかる

贈与税の控除としては最大級

いろいろと制約のある制度ですが、贈与税でこのように大きな金額の控除は少ないので、うまく使いたい制度です。

なぜなら、贈与税は累進性が高い税金で、対象となる課税価格が大きくなると、税率が高くなります。たとえば、1,500万円を越えて3,000万円以下の財産を譲渡するときの税率は50%にもなります。

この高い税率を見ると、2,000万円という控除枠がいかに大きなものであるかわかります。

また、相続税の不動産評価は路線価などによる評価なので、実勢価格の6~8割程度になります。土地や建物の現物を譲渡すると、評価額は実勢価格よりも低く算出されます。実勢価格そのものである金銭を譲渡する場合よりも有利になるので覚えておきましょう。

なお、不動産の贈与の実際については司法書士、申告については税理士などに相談すると良いでしょう。

自分名義の家に住み続けられる安心感

この制度の使いみちですが、一般には夫が妻に生前贈与することによって、相続税の対象となる財産を減らす手段に使用されます。無税で行える生前贈与は少ないので有効な相続税対策なのです。

しかし、本来の用途を考えれば、結婚20周年を期に配偶者に住まいをプレゼントするとか、夫と妻の共同名義になっている不動産をどちらか1人の名義に統一する、などの使い方が王道でしょう。これだけの不動産を譲渡すれば、配偶者も結婚生活の成果として嬉しく受け取れるでしょう。

配偶者にしても、自分の名義である不動産に住んでいると、なんらかのアクシデントがあった場合にも備えることができます。家族に安心感を与えるという意味で、価値のある譲渡といえるでしょう。長い夫婦生活を共にした、円満な夫婦の円滑な財産譲渡として有効に活用してください。

[シニアガイド編集部]
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