一生を1日に置き換えてみる「人生時計」という考え方
自分の年齢を3で割る
「朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足、この生き物はなあに?」
というスフィンクスのなぞかけは、人間の一生を1日に例えたものです。
つまり、遠い昔から、人間の一生を1日に例えるという考え方がありました。
最近では「人生時計」という考え方が、人間の一生を1日に例えた良い例でしょう。
人生時計は、「自分の年齢を3で割り、その数字を24時間制の時刻に当てはめてみる」というアイデアです。自分の人生の時刻を知ることができるわけです。
例えば、今が45歳であれば、45÷3で15時。つまり、人生を1日に例えれば午後3時にあたります。
もっと若く、今が30歳であれば、30÷3で10時、つまり午前10時です。30歳になったときに、もう年寄りだという人が多いのですが、実はまだ午前中なのですね。
ちょっと前まで、定年年齢として多かった60歳は、60÷3で20時、午後8時ですから、仕事を終えて家に帰っても良い時間です。
現在の定年年齢である65歳では、65÷3で21時半、午後9時半にあたります。ちょっとした残業という感じでしょうか。多少、疲れても当然です。
このように人生時計は、自分の年齢について、その頃合いを考えるのに有効なツールです。
また、身の回りの人についても計算してみると、いろいろと納得できることもあります。歳の差に悩んだときなどに、うまく利用してください。
自分の年齢についての感覚をリセットする
人生時計という例え話は、20年ほど前から、年齢をテーマにしたエッセイに掲載されています。
朝礼のネタとしても良く使われるので、学校の先生や、会社の上司から聞いたことがあるかもしれません。
人生時計は、一生を24時間×3で72歳として計算しています。しかし、最近では、平均寿命が長くなったことを受けて、1日を80歳や85歳として計算する方法を提唱する人もいます。さらに、男女差を含めて複雑な計算をしているWebサイトもあります。
しかし、3で割るという本来のルールの方が、パッと暗算で計算できて、立ち話のタネになるという点で好ましいと思います。
そもそも、人生時計という例え話の目的は、思い込みで判断しがちな、自分の年齢についての感覚を1日に例えることでリセットすることにあります。
つまり、「もう年寄りだ」「まだ若い」と思い込んでしまいがちで、自分の年齢の意味を忘れてしまいやすい人間に客観的な物差しを示せれば良いのです。
そのためには、あまり厳密さを求めず、「自分の年齢を3で割り、その数字を24時間制の時刻に当てはめてみる」というシンプルなしくみで十分でしょう。
ちなみに、「3で割る」というルールでは、72歳以上は1日を過ぎて翌日に入ってしまいます。これを「もう、1日が終わっていて、あとは死ぬだけだ」と後ろ向きに受け止める方がいらっしゃいますが、そうではありません。
これは、「人より長く1日が楽しめているのだ」と、前向きに考えましょう。今は夜更かしをしていて、まだ起きていてかまわないと考えれば、それだけで楽しいじゃありませんか。