マイナンバーが導入され、非課税枠が拡大される来年のNISA

[2015/11/13 00:29]

大きく変わるNISA

2014年に開始された「NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)」が、2016年1月から改正されます。

NISAは一般的な投資家を対象にした非課税制度で、上場株式や投資信託などから得られた利益が非課税となります。

今回の改正によって、一般の投資家が影響を受けそうなのは、次の4点です。

  1. マイナンバー制度の導入
  2. NISAの年間投資上限を120万円に拡大
  3. 未成年者を対象とした「ジュニアNISA」の創設
  4. 公社債と株式の課税の取り扱いを統一

では、順番に説明しましょう。

マイナンバー制度を導入

2016年1月から、証券取引にマイナンバー制度が導入されます。

2016年1月以降は、証券会社でNISA口座や特定口座を開設するときと、住所変更などの届出時に、個人番号の届け出が必要となります。

すでに口座を開いている場合は、2018年末までに個人番号を提示する必要があります。

逆に言えば、とりあえず今年中に口座を開いておくと、2018年末まで個人番号を登録しないですみます。

投資上限が最大600万円まで拡大

NISAは、年間の非課税投資枠が決まっており、その投資から得られた利益は非課税となります。

2015年までは非課税投資枠は、年間100万円でした。これが、2016年からは年間120万円に拡大されます。

NISAの非課税期間は5年なので、120万円×5年で、最大600万円まで非課税となります。

120万円という数字は、毎月10万円ずつ積立投資すると、ぴったり使える金額でもあります。

子供に財産を残せる「ジュニアNISA」

これまで、NISA口座を持てるのは、20歳以上に限定されていました。

2015年から、未成年を対象にした「ジュニアNISA」が創設されます。

NISAとの相違点は、次の通りです。

  1. 対象年齢が0歳~19歳
  2. 年間の非課税投資枠が80万円
  3. 18歳になるまで途中払い出しに制限がある
  4. 運用口座の管理は本人ではなく、親権者が代行する

最長5年間の非課税期間や、対象商品が上場株式や投資信託であることはNISAと同じです。

「ジュニアNISA」は、年間80万円が上限なので、贈与税の基礎控除枠(110万円)の範囲で、子供に資産を移すことができます。非課税期間は5年なので、80万円×5年で、最大400万円まで非課税枠が使えます。

また、子供が18歳になるまで口座からの払い出しができません。生活費などに流用されにくいので、大学の学資を準備するのに向いています。

外貨建てMMFなどをお持ちの場合は証券会社に相談を

これまで、上場株式や投資信託と、公社債や公社債投信は、税制上の取り扱いが異なっていました。

2016年からは、これが統一され、公社債等の利子や分配金が申告分離課税の対象となります。また、上場株式等と損益通算ができるようになります。

公社債等には、外貨建てMMFや外貨建て利付債も含まれます。これまで、これらの債券の売却益は非課税でしたが、来年からは課税対象となります。

つまり、手元に外貨建てMMFや外貨建て利付債をお持ちの場合は、年内に売却したほうが節税になる可能性が高いのです。ただし、ご自分の株式取引の状況によっては、損益通算した方が有利な場合もあります。早めに証券会社に相談してみましょう。

[シニアガイド編集部]