できる「マイナンバー」 そこが知りたい編
~マイナンバーで会社に副業がバレますか
[2015/11/30 02:18]
本当のところはどうなんでしょう
「マイナンバー」の通知が始まりましたが、制度について、いろいろな誤解も流布しています。また、本当に知りたいことはあまり伝えられていません。
とりあえず、流布している誤解や疑問について、Q&A式に答えをまとめてみました。
掲載した情報は、2015年11月時点のもので、政府広報や各官公庁の公開情報によっています。
マイナンバーについての誤解と疑問
- 会社に内緒の副業はバレますか
- まず、マイナンバーによって、会社が直接副業を知る可能性はありません。ただし、マイナンバーによる確認がしやすくなるので、税務署に対してすべての収入を隠すことは難しくなります。無理矢理に考えれば、これまで支払調書を受け取りながら確定申告をしていなかった副業収入を申告をする→住民税の金額が変わる→住民税の天引き(特別徴収)の金額が会社の給与だけの場合よりも増える→疑問を持った総務部門から質問が来る、という可能性はゼロではありません。なお、支払調書が出ない少額のアフィリエイトは、いまのところ大丈夫です。
- マイナンバーが届いたら「4(死)」と「9(苦)」が多く、縁起の悪い感じの番号でへこみました。再発行してもらえますか
- マイナンバーが再発行されるのはデータが漏洩して不正使用される場合に限られています。番号を変えてもらうことは難しいでしょう
- 民主党政権に戻れば「マイナンバー」制度はなくなりますか
- 今のマイナンバー制度の骨格は、民主党政権時代にできたものです。2013年6月のマイナンバー法の成立時には、自民、公明、民主、維新、みんな各党が賛成しています。反対していたのは、日本共産党、生活、社民党なので、この3党へ投票する方が制度が廃止される可能性がまだあるでしょう。
- マイナンバーを受取拒否すると、制度が開始されないという運動に参加しようと思います。何か不都合はありますか
- マイナンバーを受取拒否しても、住所の変更など届けることができなかったのと同じ意味しかなく、制度に対する支障にはなりません。むしろ、選挙の際にマイナンバー制度に反対している党へ投票するほうが可能性が高いと思います。
- 会社にマイナンバーを知らせたくないのですが
- 特に懲罰はありませんが、会社に負担がかかり、記録も残ります。リンク先の国税庁のFAQが参考になりますから、それを読んでご判断ください。「従業員や講演料等の支払先等から個人番号の提供を受けられない場合、どのように対応すればいいですか。」
- 派遣社員ですが、派遣先の企業でマイナンバーを聞かれないのですが、これでいいのでしょうか
- 派遣社員の場合、マイナンバーを集める必要があるのは、派遣元の企業だけです。派遣先の企業にはマイナンバーを伝える必要はありません。疑問がある場合は、派遣元に相談して、派遣先に言ってもらいましょう。
- 今年いっぱいで退社するのですが、マイナンバーを伝える必要がありますか。
- マイナンバー制度が運用されるのは来年からなので、退社日が今年中であれば伝える必要はありません。
- 会社を退社したら、マイナンバーの情報は廃棄してもらえますか
- マイナンバーの情報は退社後7年間は保管するように法律で定められています。また、マイナンバーが記載されている法定書類も、その書類ごとに定められた法定期間は廃棄できません。最大7年間は廃棄してもらえないと考えましょう。
- 「ウチは小規模でマイナンバー法の対象外だから、副収入があってもバレないよ」と誘われましたが本当ですか
- マイナンバー法は、個人情報保護法や消費税と異なり、規模にかかわらず、すべての事業者が対象です。信じないほうが良いでしょう。
- 管理に都合が良いので、マイナンバーをそのまま社員番号や取引先の管理番号に使っていいですか
- マイナンバーが流出する可能性が増えますし、本来の用途以外で使うことは禁止されています。絶対に止めましょう。
- ある会社のマイナンバーの扱いについて問題を感じて交渉していますが、まともに対応してくれません。どこの窓口に告発すれば有効でしょう
- 「特定個人情報保護委員会」の「苦情あっせん相談窓口」が良いでしょう。この委員会は国が設置した独立した委員会で、立入検査権まで持っていますから、企業としても無視しにくい存在です。苦情あっせん相談窓口。