アメリカのElysium Space, Inc.(エリジウムスペース社)は、1gの遺灰を収めた遺灰カプセルを、月着陸船で月面へ届け、そのまま安置する「月面供養 (Lunar Memorial)」の販売を開始しました。月面にお墓を持つことで、世界中どこからでも月を眺めることでお墓参りをすることができます。
予約価格は120万円で、ロケットの打ち上げは、2017年後半を予定しています。
月面供養には、次のものが含まれます。
月面供養を行なうには、エリジウムスペース社から送られてくるキットに入っている遺灰カプセルに、遺灰の一部(約1g)を入れます。カプセルのキャップには、希望のイニシャルを3文字以内で刻印できます。人工衛星の格納モジュールには、60個のカプセルが収納されます。カプセル以外に、人工衛星の金属プレートに最大80文字までのメッセージが刻印できます。
また、国内の専門事業者と提携して「墓じまい」と組み合わせたプランも用意されています。月面に送る遺灰は、直径2mmのマイクロチューブ1本分となります。プランは50万円からで、1柱ごとに12万円追加されます。
エリジウムスペース社は、2013年から宇宙葬サービス「流れ星供養 (Shooting Star Memorial)」を提供しています。これは、衛星軌道を周回後、大気圏に突入して流れ星となって燃え尽きる供養です。価格は30万円で、日米合わせて約50人の申し込みを受け付けています。
エリジウムスペースの人工衛星は、大型衛星と相乗りする「セカンダリー・ペイロード」という仕組みで打ち上げられるため、日程などは流動的です。衛星の軌道は、専用のスマートフォン用アプリで追跡できます。
なお、2015年 第4四半期に打ち上げられた「流れ星供養」用の「Star1」は、計画した軌道に到達しませんでした。
利用規約には、サービスの終了時点が次のように規定されています。
打ち上げが失敗した場合は、再度の打ち上げが無償で選択できますが、払い戻しや損害賠償は受け付けられません。