介護施設に向けた機能訓練用パチンコ台のレンタルサービス
[2015/12/15 00:00]
「カジノ型デイサービス施設」が問題化
2015年の介護業界では、擬似通貨などを利用して、カジノやパチンコや麻雀などの賭け事を活動の中心とした「カジノ型デイサービス施設」が問題となりました。
この問題の根は深く、今年9月には神戸市が「第66号議案」として、「神戸市指定居宅サービス事業者の指定(中略)を定める条例の一部を改正する条例の件」を決議しました。これはカジノ型デイサービス施設を禁止する条例です。
市議会がこのような条例を制定しなければならないほど、単なるカジノのような娯楽型デイサービス施設が増えているのです。今後も、カジノ型デイサービス施設の普及状況によっては、同じような条例が各地で制定される可能性があります。
- 第12条 (前略)機能訓練その他必要なサービス又はこれに付随するものとして次に掲げるものを提供してはならない。
- 利用者に,射幸心をそそるおそれのある遊技を常時又は主として行わせることその他通常の日常生活を著しく逸脱すると認められる形態で遊技を行わせること。
- 遊技において疑似通貨(通貨に類する作用をなすものをいう。)を使用させることにより,利用者の射幸心を著しくそそり,または依存性が著しく強くなるおそれのあるようにすること。
機能訓練用に手足を使うパチンコ台を開発
介護用パチンコ・スロットリースを行なう有限会社 グローバルスタンダードは、このような状況を踏まえ、福祉施設の本来の目的である“機能訓練用”として使えるパチンコ台を発表しました。
同社がリースするパチンコ台は、ハンドルを回してパチンコ玉を打ち出すのではなく、足を上げてパッドを踏む、手で握力グリップを握る、ハンドルを回す、などの動作により玉が出ます。
同社では、音や画面の刺激を受けながら、運動をすることで、自然な状態で身体機能が高められるとしています。
レンタルサービスは、デイサービスセンターや福祉施設が対象で、1年以上契約の場合のレンタル価格は月額1万円(税別)からとなっています。
ただし、同社の製品は、スイッチで通常のパチンコにも切り替えができるため、単純な娯楽装置として使われてしまう可能性も残っています。娯楽性と機能訓練の配分は難しいことですが、うまくバランスのとれた製品へと発展することを期待しましょう。