半分以上の人が、自分を高齢者だと思うのは「75歳」を過ぎてから
人はいくつから高齢者になるか
人はいくつから高齢者になるのでしょう?
公的保険などの制度では、一定の年齢ごとに一律で線引されますが、「自分が高齢者である」と自覚する年齢は、人によって異なります。
探してみると、「自分が高齢者だと思う人が過半数になるのは、75歳を過ぎてから」という調査結果がありました。
これは内閣府が2014年度に行なった「高齢者の日常生活に関する意識調査」にあった項目です。
調査は全国の60歳以上の男女6,000 人に郵送で行なわれ、3,893人の有効回答を得ています。政府の政策の基本になる調査なる、かなり大きな調査です。
この調査には面白い項目が多いのですが、今回は「高齢者とは何歳からか」というポイントに絞って、調査結果を見てみましょう。
自分が高齢者だと思うのは「75歳」以上
まず、「自分は高齢者だと感じますか」と聞いています。
「はい」が43.4%、「いいえ」が51.3%、無回答が5.3%でした。
調査対象は60歳以上で、まだ働いている人も多いので、「いいえ」と回答する人の方が多いのは納得できる結果です。
では、回答者の年齢別に見てみましょう。すると、「70~74歳」までは「自分が高齢者だと感じる」に「いいえ」という回答の方が多く、「はい」という回答が過半数を超えるのは「75~79歳」からでした。
どうも、75歳あたりが1つの区切りとなっているようです。
高齢者だと感じるのは「体力の低下」が理由
次に、「自分が高齢者だと感じるのは、どんなときですか」と聞いています。
もっとも多かったのは「体力が変化した時」で半数以上の人が挙げています。次に「記憶力が変化した時」です。
体力の減退は、「疲れ」で感じる
さらに「体力の変化を感じる時は、どんなときですか」と聞いています。
「疲れやすくなったとき」が39.4%と多く、「力が弱くなったと感じた時」と「歩く速さが遅くなった時」が続いています。
自分以外の人を高齢者だと思うのは「70歳以上」
次に「高齢者とは何歳以上か」と聞いています。
すると、「70歳以上」が一番多く、「75歳以上」、「80歳以上」と続きます。
つまり、人のことだと「70歳以上」は高齢者と思っているわけです。
さきほどの設問では、自分のことだと75歳でも高齢者ではないと回答しているので、人のことと自分のことだと5歳ぐらい「高齢者だと思う」という年齢に差があるようです。
周囲の支えが必要な年齢は「80歳以上」
さらに「支えられるべき高齢者とは何歳以上か」と聞いています。
今度は「75歳以上」が一番多く、「80歳以上」、「70歳以上」と続きます。
つまり、周囲の支えが必要と思う年齢は、単なる高齢者よりも5歳ぐらい年齢が上になってからと思われています。
年齢だけで高齢者だと決めつけるのは危険
この調査結果によれば、自分が高齢者だと思い始めるのは75歳ぐらい、人を高齢者だと思うのは70歳ぐらいで、自分が高齢者だと思う年齢と、他人を高齢者だと思う年齢には、5歳の差があることがわかりました。
また、客観的には十分高齢者である「85歳以上」の方でも6.2%は「自分は高齢者ではない」としていますから、年齢だけで一律に「高齢者扱い」をしてはいけないこともわかります。