初公開されたガンの10年生存率
全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)は、ガンの10年生存率を一般公開しました。
これまで5年生存率は公開されていましたが、10年生存率は初めての公開です。
生存率は、部位別に公開されており、各ガンごとの10年後の生存率がわかります。
公開された生存率は、全がん協所属のがん専門診療施設で診断治療を受けた症例について追跡調査を行なったものです。調査には、16の施設が参加しています。
公開された「10年生存率」は、1999年から2002年に初回の入院治療を行なった症例から、一定の条件を満たした35,287症例に基づいています。
「5年生存率」も更新されました。こちらは、2004年から2007年に診断治療を行った症例のうち、一定の条件を満たした147,354症例を基にしています。
また、今回公開されたデータは、部位別や男女別で生存率を検索できる「KapWeb」にも反映されています。KapWebを使うと、調べたい病状に応じて生存率が検索できます。
部位別の10年生存率グラフ
グラフに表示されている生存率は、その部位のガンの症例すべての数字ですので、ご注意ください。
ガンは進行具合(ステージ)によって、生存率が大きく変わります。
例えば、「胃」の場合、すべての症例の生存率は「73.1%」ですが、ステージ1/2/3/4のそれぞれの生存率は、97.2%、66.0%、47.2%、7.2%と大きく異なります。
ステージ別の生存率を確認されたい方は、記事末のリンクを利用してください。
部位別の5年生存率グラフ
相対生存率
今回公開された生存率は「相対生存率」です。
相対生存率は、性別や年齢、診断年が異なる場合でも、がん患者の予後を比較するために、がん患者について計測した生存率(実測生存率)を、対象者と同じ性別、年齢、分布をもつ日本人の期待生存確率で割ったものです。相対生存率を使用すると、他国のデータとも比較ができます。