一人暮らしの親のために「救急医療情報キット」を作ってあげよう
緊急時に役立つ「救急医療情報キット」
「救急医療情報キット」というのをご存知ですか?
これは、一人暮らしの高齢者が救急車などで運ばれたときに必要となる個人情報を、場所が分かりやすい冷蔵庫内に保管しておくシステムです。
治療に際して必要な情報が、スムーズに救急隊や医療機関に伝えられるため、救急医療を受けるときに有効なシステムです。
このシステムは、2008年に東京都港区で始まったとされており、現在では全国の自治体で配布が行なわれています。
しかし、自治体によっては救急医療情報キットを取り入れていないところもあります。また、配布している場合でも、65歳以上などの年齢制限を設けている場合があります。
まず、「お住まいの市区町村名+救急医療情報キット」で検索して導入状況を確認し、無償で入手できない場合は、自作することをお勧めします。
「救急医療情報キット」自体は簡単に作れるものですし、自分で作るための素材を公開している自治体もあります。
一人暮らしをしている親や、持病などがあれば自分のためにも「救急医療情報キット」を自作しましょう。
2つの市が自作情報を公開中
救急医療情報キットの自作のための素材を公開しているのは、和歌山県田辺市と大阪府吹田市です。
記事の一番下にあるリンクをたどってください。
いずれも、特別な道具は必要とせず、パソコンとプリンターがあればキットが作れるようになっています。
救急医療情報キットの要素
救急医療情報キットは、次の4つの要素でできています。
- 冷蔵庫に入れる容器
- 容器に入れる書類
- 冷蔵庫に貼るラベル
- 玄関のドアの内側に貼るラベル
「冷蔵庫に入れる容器」は、書類が濡れないように密閉できるものであれば何でも大丈夫です。100円ショップで密閉容器を購入しても良いですし、吹田市の例ではペットボトルを流用しています。他の容器と区別できるように印刷したラベルを巻いておきます。
「容器に入れる書類」は、持病の情報、常用している薬の名前、かかりつけ医の連絡先、緊急連絡先などを記入します。健康保険証のコピーを同封しておくのも良いでしょう。
「冷蔵庫に貼るラベル」は、この冷蔵庫内に救急医療情報キットが入っていることを表します。自分でのり付きのシールを作るのは難しいので、田辺市の例のように、マグネットクリップやマグネット付きクリップボードなどを利用すると簡単です。
「玄関ドアの内側に貼るラベル」も、同様にマグネットを使用した文房具類を流用しましょう。防犯のために、ラベルは玄関の外ではなく、必ず内側に貼ります。
有効に使われるための注意
救急医療情報キットが有効に利用されるためには、次のような注意が必要です。
- 書類に書かれている情報は、常に最新の情報に更新しておきましょう
- まだ救急医療情報キットが導入されていない自治体では、救急隊員が勝手に冷蔵庫を開けることができない場合があります。救急車を呼ぶ際に、「冷蔵庫に医療情報が入っているので利用して欲しい」という意思を伝えましょう。
なお、冷蔵庫内に入れる書類については、東京都葛飾区、墨田区、台東区のように、PDFファイルで公開している自治体もあります。それらの自治体にお住まいの場合は、その書式を使うと良いでしょう。
【お知らせ】この記事は2017年9月6日に内容を更新しました。