ネットの買い物で、一番お金を使うのは50代!?
総務省によるネットショッピングの調査
「ネットショッピングで一番お金を使っているのは50代」という、衝撃的なレポートが公開されました。
しかも、発表しているのは、いいかげんな調査会社などではなく、日本の総務省です。
さらに、ベースとなっている「家計状況調査結果」は、1万世帯を対象とした大規模なもので、かなり信頼度の高いものです。
インターネットで買物をするネットショッピングは、すっかり当たり前のものになっています。
しかし、ネットショッピングでお金を使っているのは、やっぱり30代が中心で、せいぜい40代までだろうと、なんとなく思っていました。
シニア世代にとって、ネットは人生の途中から入ってきたものです。そのため、ネットショッピングも、利用している人としていない人とがはっきり分かれているのを知っているからです。
それなのに、50代がネットショッピングにお金を使っていると言われても、にわかに信じがたいものがあります。
発表されたレポートの内容を追ってみましょう。
図版類の出典は、総務省統計局「家計消費状況調査結果」、「平成26年全国消費実態調査結果」、「人口推計」です。
50代は平均で15万円も使っている
下のグラフは、「ネットショッピングの利用金額」を年齢別に見たものです。
たしかに、50代が一番お金を使っており、その金額は「155,916円」になります。
ネットショッピングをしている50代は半分以下
しかし、50代がそんなに活発にネットショッピングをするものでしょうか。
「ネットショッピングを利用した率」のグラフを見ると、50代は38.2%で、他の年代に比べて、多い方ではありません。
「若い層の方がネットショッピングを使う」という直感的な印象は間違っていなかったのです。
ネットショッピングをしている世帯は年に40万円使っている
「ネットショッピングを利用した世帯だけの支出額」を見ると、やはり50代が一番お金を使っています。
なんと1世帯あたりの支出額は40万円を超えて「407,988円」もあります。
つまり、50代はインターネットショッピングを使っている人は少ないが、実際に使っている人は大きな金額を使っているというわけです。
お金の使い道は「旅行」と「健康食品」
では、いったい何にそんなにお金を使っているのでしょう。
答えは「旅行」と「健康食品」です。他の年代よりもずっと多くの金額を費やしています。
しかも、面白いことに、「インターネットショッピングを使っている世帯」だけに限定すると、下のグラフのように、50代ではなく、もっと上の世代の方が「旅行」と「健康食品」を買っています。
もう10年経つと、シニア向けショッピングサイトが盛り上がる!?
では、あと10年経って、インターネットショッピングを使う人が多い今の50代が、60代になると、何が起こるでしょう。
インターネットショッピングに慣れた人の比率は、今の60代の約1.5倍になりますから、シニア向けの旅行サイトは、いまよりもずっと盛況になるでしょう。
同様に、今の60代が、70代になって健康食品をインターネットショッピングで購入するようになれば、健康食品市場が拡大するでしょう。
旅行や健康食品に関連したインターネットサービスは、これからも成長が見込める注目すべき分野と言えます。