生命保険の見直しは、どこで相談すれば良いのだろう
保険の見直しにはいろいろな方法がある
「生活の状況が変わって、いま契約している生命保険ほどの高額の保険金は必要ないし、それなら毎月の保険料を安く抑えられないだろうか」と、考えたことはありませんか。
それは、生命保険をきっかけにして家計を見直すことにもつながるので、とても良いことです。
しかし、「保険の見直しをして、今の生活に合わせた契約にする」と簡単に言っても、実際にはいくつもの方法があります。
例えば、50歳で更新を迎えた場合でも、次のような選択肢があります。
- 今の保険を継続する
- 今の保険の特約部分だけ解約し、終身保険の分だけ継続する
- 今の保険を解約し、現在の生活に合わせた保険に加入する
- 生命保険を解約し、積立預金などの現金でリスクに備える
その人の生活条件に合わせて、これ以外にも、いくつも方法があります。
これを一人で考えていると、面倒になって、現状のまま放置してしまいがちです。
こういう時は、まずどこかで専門家に相談しましょう。
相談先としては、次の3つの窓口をお勧めします。
- 現在の契約を結んでいる生命保険会社の本社や支社に付属する窓口
- 「保険の見直しをする」ことを売り物にしている保険の販売店
- これを機会に独立系のファイナンシャルプランナーに生活全体の見直しを相談する
現在、加入している生命保険会社の窓口を利用する
(1)の生命保険会社の本社や支社に付属している窓口は、顧客として対応してくれるので相談しやすく、「解約」などの言葉を口にしても感情的な対応をされることがありません。
できるだけ契約を維持しようとする働きかけはありますが、説明責任があるので、すべての選択肢をきちんと紹介してくれます。
いま契約している生命保険契約を結んだ営業担当者と相談しようとすると、1対1の対話になってしまうため、感情的な訴えかけがあったりして、なかなか見直しに向かいません。下手をすると、割高の新しい生命保険を売りつけられてしまいます。
人が出入りするオフィスという公共の場で、ビジネスライクに話ができる、生命保険会社の窓口をおすすめする理由です。
「保険の見直し」をする保険代理店を利用する
(2)の保険の見直しをすることを目的としている販売店を利用する場合には、コツがあります。
相談に行くと、「いま、どんな保険にお入りですか」という話に振ろうとしますから、それには乗らず、「自分が何歳で、子供が何歳で、家族がこういう状況である」という、自分の生活の話をしましょう。
こちらの生活について、話を聞いてくれない場合は、相談相手として適切ではありませんから、早めに退散します。
その上で、「こういう状況なんですけど、本来、こういう場合には、どういう保険が必要なのでしょう」という質問をして、あちらから保険を提案させるようにしましょう。
「保険の見直し」をする店舗は、相談料をとらない代わりに、新しい保険を販売することで利益を出しています。
いま契約している保険会社とは逆に、今の契約を解約して新しい保険を売ろうとする働きかけがあることを頭に入れておきましょう。
たとえば、現在の保険の話をすると、こちらが一通りしゃべったあとで、「それはいけませんね、今なら良い保険があるんですよ」というセールストークで、こちらの条件に合う合わないに関わらず、その店舗が売ると利益が大きい保険商品を勧められてしまいます。
ファイナンシャルプランナーに相談する
(3)ファイナンシャルプランナーは、家計についてのプロの相談相手です。
きちんと時間を取って、必要なツールを使いながら相談すると、現在の家計の状況の改善から、将来の自分の家族の目標までの道のりが明らかとなります。
ファイナンシャルプランナーの相談料金は、1時間1万円前後ですが、無料相談窓口も用意されています。とりあえず、無料相談窓口で感触を確かめて見ましょう。
ファイナンシャルプランナーが使用するツールの一部は無償公開されていますので、簡単なものを試してみても良いでしょう。
なお、生命保険会社や保険の代理店にもファイナンシャルプランナーは配置されていますが、どうしても商品を売るという働きかけがあります。
相談料は中立の状態で判断してもらうための料金と思って、独立系のファイナンシャルプランナーを選ぶようにしましょう。
家庭と家計があって、保険がある
保険の見直しをする場合によくあるのが、「月々に何千円保険料が安くなる」という勧誘です。
しかし、本当に必要なのは、生命保険自体を変えることではなく、今の自分の生活を再確認した上で、どれだけの保障が必要かを把握することです。
その上で、今の保険でフィットしているのであれば、現在のまま契約を継続してもかまいません。必要があれば乗り換えるというだけの話です。
つい、目先の節約のために「保険」を変えることが目的になりやすいので、「安くなる」という声には耳を貸さないようにしてください。