家庭でできる、野菜のプランター栽培のコツ
花や野菜のタネを販売している「タキイ種苗」が、家庭でできる「野菜のプランター栽培」のコツを紹介しています。
育てやすい野菜を選ぶ
最初に始めるときは、生育期間が短く、失敗しにくい野菜を選びましょう。
「小松菜」「ほうれん草」「リーフレタス」「二十日ダイコン」などは、1~2カ月で収穫できるので、育てやすくオススメです。
発芽してある程度育ったら、葉が込み合ったところを抜く「間引き」作業をしましょう。
あまり大きくせず、10~15cmくらいのベビーリーフとして楽しみます。
「土」が大切
野菜などの作物は「土」が命です。
野菜用に調整された培養土(ばいようど)を選びましょう。
肥料は、基本的な肥料分(チッソ、リン酸、カリ)が混ぜ込まれたものを選びましょう。
野菜によって種まきの深さを変える
光があった方が発芽促進される好光性の種、光が無い方がいい嫌光性の種など、種の特性をチェックし、種をまく深さに気を付けましょう。
葉物の種のまき方は、間引きがしやすく、栽培管理がしやすい、「すじまき」がおすすめです。直線状にまき溝を作り、1cm間隔で植えます。
「日当たり」と「温度」によって野菜を選ぶ
プランターを置く場所によって、「日当たり」と「温度」が変わります。
日当たりと温度をもとに、「自分の家庭菜園に適した野菜」を選びましょう。
生長に必要な光合成のため、日当たりは大切な条件ですが、野菜によって少ない日光でも作ることができるものがあります。
例えば、「葉もの野菜」は半日でも日光が当たれば育ちます。また、「三つ葉」や「ミョウガ」などは日陰でも作れます。
日当たりの悪いベランダでも諦めず、環境に適した野菜づくりを楽しみましょう。
野菜に適した温度と季節を選ぶ
野菜にはそれぞれ「適した温度」があります。
野菜は、もともとの原産地の気候を好みます。生育に適した温度)ないと、野菜は上手に育つことができません。
基本は、実のなる野菜(果菜)なら高い温度、葉と根を食べる野菜(葉菜、根菜)なら15~20度が適しています。
季節で言えば、果菜は春から夏、葉菜や根菜なら春または秋冬に向いています。
種のパッケージに書かれている「発芽適温」や「生育適温」を見て選びます。
土は再利用できる
都会では、野菜を育て終わった後の土の処分に困ることがあります。
「土」は捨てずに、再利用しましょう。
手順は次の通りです。
- 栽培が終わった後、フルイを使い、根など作物の残りをきれいに抜き取ります。
- 病気と連鎖障害が気になる場合、ビニールにつめて密封し、10日以上太陽熱消毒をします。時間がない場合、熱湯をかけて消毒してもかまいません。
- 土に含まれる肥料分や有機質は、前の作物が使ってしまっています。新たに、堆肥と肥料を土に混ぜ合わせます。
防虫にはネットを使う
家庭菜園の実施場所が庭でもベランダでも、どこからでも飛んでくるのが虫です。
虫が付く前に「防虫ネット」を利用しましょう。
ポイントは、「種まきしてすぐに防虫ネットを被せる」「外から虫が入らないよう、しっかりと囲む」です。
水やりのときも、ネットは取りません。防虫ネットの上から水やりします。
何かを育てるのは楽しい
ここまで紹介したように、条件が悪いマンションのベランダであっても、その環境に適した野菜を選んで、いくつかの点に気をつけるだけで、プランター栽培ができます。
プランター栽培の目標は収穫です。それを楽しみに始めましょう。
自分で育てた野菜が食卓に上がると、それが小さなベビーリーフであってもうれしいものです。