日本人の平均寿命が、男性は「81.09歳」、女性は「87.26歳」であるという数字は、よく見かけます。
それぐらいまで生きるとなると、最後の方は、人の手を借りずに自立して生きることが難しくなります。
その目安の一つが「健康寿命」です。
「健康寿命」は、「医療や介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間の平均」を指します。
全国の健康寿命は、男性が「72.14歳」、女性が「74.79歳」です。
つまり、70代前半ぐらいが、自立して生きる目安となっています。
しかし、健康寿命を超えたからと言って、みんながみんな自立できなくなるわけではありません。
何歳まで自立できるかどうかは個人差が大きいので、もう少し、流れが見える数字がないかと探してみました。
つまり、「70歳なら何%、80歳なら何%」というふうに、自立できる割合がわからないかと考えたのです。
その結果、2つほどグラフができましたので、ご紹介します。
1つ目のグラフは、介護保険の要介護認定を受けた人の数を、その年代の人口で割ったものです。
介護保険は、40歳になると加入し、40~65歳が「第2号被保険者」、65歳以上が「第1号被保険者」に分かれています。
40~65歳で要介護認定を受けている人の割合は、男女とも「0.3%」でした。
年齢が高くなるほど、要介護認定を受けた率が上がっていきます。
健康寿命を超え、75~80歳になると、要介護認定を受けた人が10%を超えます。
85~90歳では50%前後となり、90歳以上では70%を超えます。
2つ目のグラフは、年代別の認知症になった割合のグラフです。
これは、認知症の将来人口の研究レポートに含まれているもので、実数ではなく、数学的モデルに基づく推計値です。
グラフを見ると、年令が高くなると、認知症の有病率が高くなっていきます。
75~79歳では10%前後になります。
80代になると20%を、85歳以上になると50%を超えます。
要介護認定のグラフと、認知症の有病率のグラフは、よく似た結果となりました。
その世代に占める割合は、75歳を超えると10%を超え、80代になると20%、85歳を超えると50%を超えます。
75歳、80歳、85歳が、変化の目安となりそうです。
自分や家族の将来像を想定するときは、「75歳を超えたら、要介護認定や認知症の可能性が出てくる、80代になったら、いつそうなっても良いように準備をしておく。85歳を過ぎたらそうなっている可能性が高いと思って想定しておく」と良いでしょう。