何歳ぐらいまで自立して生活できるのか、年代別の割合で見る

[2018/10/23 00:00]

自立して生活できる目安が知りたい

日本人の平均寿命が、男性は「81.09歳」、女性は「87.26歳」であるという数字は、よく見かけます。

それぐらいまで生きるとなると、最後の方は、人の手を借りずに自立して生きることが難しくなります。

その目安の一つが「健康寿命」です。

「健康寿命」は、「医療や介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間の平均」を指します。

全国の健康寿命は、男性が「72.14歳」、女性が「74.79歳」です。

つまり、70代前半ぐらいが、自立して生きる目安となっています。

しかし、健康寿命を超えたからと言って、みんながみんな自立できなくなるわけではありません。

何歳まで自立できるかどうかは個人差が大きいので、もう少し、流れが見える数字がないかと探してみました。

つまり、「70歳なら何%、80歳なら何%」というふうに、自立できる割合がわからないかと考えたのです。

その結果、2つほどグラフができましたので、ご紹介します。

要介護認定を受けた割合

1つ目のグラフは、介護保険の要介護認定を受けた人の数を、その年代の人口で割ったものです。

介護保険は、40歳になると加入し、40~65歳が「第2号被保険者」、65歳以上が「第1号被保険者」に分かれています。

40~65歳で要介護認定を受けている人の割合は、男女とも「0.3%」でした。

年齢が高くなるほど、要介護認定を受けた率が上がっていきます。

健康寿命を超え、75~80歳になると、要介護認定を受けた人が10%を超えます。

85~90歳では50%前後となり、90歳以上では70%を超えます。

出典:データを基に編集部が作成

認知症と診断された割合

2つ目のグラフは、年代別の認知症になった割合のグラフです。

これは、認知症の将来人口の研究レポートに含まれているもので、実数ではなく、数学的モデルに基づく推計値です。

グラフを見ると、年令が高くなると、認知症の有病率が高くなっていきます。

75~79歳では10%前後になります。

80代になると20%を、85歳以上になると50%を超えます。

出典:データを基に編集部が作成

75/80/85歳が目安になる

要介護認定のグラフと、認知症の有病率のグラフは、よく似た結果となりました。

その世代に占める割合は、75歳を超えると10%を超え、80代になると20%、85歳を超えると50%を超えます。

75歳、80歳、85歳が、変化の目安となりそうです。

自分や家族の将来像を想定するときは、「75歳を超えたら、要介護認定や認知症の可能性が出てくる、80代になったら、いつそうなっても良いように準備をしておく。85歳を過ぎたらそうなっている可能性が高いと思って想定しておく」と良いでしょう。

[シニアガイド編集部]