公的機関を名乗る架空請求詐欺を見破るポイント

[2018/11/6 00:00]

国民生活センターが架空請求を警告

国民生活センターが、「法務省管轄支局 国民訴訟通達センター」からの封書は架空請求ですという警告を行なっています。

このように、公的機関を名乗って架空請求を行なう犯罪は多く、次から次へと架空の機関名を作りだしています。

この機関名は危ないという情報も大切ですが、それ以外の情報から、架空請求などの危ないものを見分ける方法は無いものでしょうか。

政府のホームページなどの情報をもとにして、まとめてみました。

送ってきた機関名で判断する

本当にあなたに借金があり、それを払ってほしいと思った第三者が手続きをとる公的機関は、「裁判所」です。

つまり、差出人が裁判所ではなく、「法務省管轄」とか「XXXセンター」を名乗っている時点で、それは「ウソ」です。

裁判所からの連絡は、「特別送達」という特殊な形式の封書で行なわれます。

「東京簡易裁判所の書記官」のように、裁判所を騙っていても、「電話」や「電子メール」「SMS(ショートメッセージサービス)」などで来た通知は「ウソ」です。

郵便物の種類で判断する

「特別送達」について、くわしく見ていきましょう。

特別送達は封書が前提ですから、「郵便はがき」で送ってきた時点で、それは「ウソ」です。

また、特別送達は「一般書留」にするように定められています。郵便ポストに投函(とうかん)される、普通の郵便で送られてきた時点で、それは「ウソ」です。

なお、本当は特別送達ではないのに、封筒に「特別送達」と書いてきた例もあります。

しかし、本物の「特別送達」は封筒の基本料金である82円に加えて、560円の料金が必要です。さらに、一般書留の料金が430円かかります。

つまり、封筒に千円分以上の高額な切手が貼られていない限り、それは本物の特別送達ではありません。

レターパックでの送金を求めてきたらウソ

次に通知の内容を見てみましょう。

例えば、裁判所からの通知で、いきなりレターパックや宅配便で現金を送るように依頼されることは絶対にありません

また、特定の口座番号を指定した銀行振込を依頼することもありません。

そのように書かれていた時点で、それは「ウソ」です。

ウソと分かったら無視を

最後に、公的機関を名乗る架空請求を見破るポイントをまとめておきます。

  • 封書による「特別送達」以外の手段による通知は「ウソ」
  • 裁判所以外を名乗る通知は「ウソ」
  • いきなり振込や送金を求める通知は「ウソ」

これらのポイントをチェックして、ウソと判断できたら、そのまま無視しましょう。

不安に感じたら、国民生活センターや警察の窓口に相談しましょう。

付録:本物の「支払督促」が届いたときの対応

では、本物の「支払督促」が届いたときは、どのように対応すれば良いのでしょうか。

まず、すぐに開封して、内容を確認します。

正しい手続きの場合は、必ずこちら側に反論の機会が与えられています。

例えば、「支払督促」という手続きで、特別送達が来た場合も、その内容は支払いを促すと同時に、反論があれば異議を申し立てるようにと書かれています。

ここで、異議を申し立てないと、あちら側の言い分が正しいことになってしまいます。

通知の内容を確認し、身に覚えがない場合は、必要な反論を行ないましょう。

怖いからと言って、放置しておくと、あちら側の言い分の通りに判決が下りたことになります。

いったん、そうなってしまうと、それをひっくり返すためには、弁護士による面倒な手続きが必要となります。

最初の反論の機会を逃さないようにしましょう。

怪しい通知は無視する一方で、形式が整った正しい通知には、すみやかに対応するという使い分けが大切です。

[シニアガイド編集部]