上場企業の正社員でも、40代と50代で勉強をしている人は「3割」
上場企業の中年正社員への調査
筆記用具会社のゼブラが「学び直しについての意識調査」の結果を公開しています。
この調査が面白いのは、調査の対象を「40代50代の上場企業の正社員」に限っていることです。
上場企業の正社員という、勉強には慣れている、もしくは慣れていたであろう人たちは「学び直し」について、どのように感じているのでしょうか。
2019年3月に行なわれたインターネットアンケートには、全国の男女3,692人が回答しています。
仕事のために新たに勉強が必要と考えている人は「7割」
回答者の7割以上は、「仕事のために新たに勉強が必要」と考えています。
「学び直し」という言葉は使っていなくても、常に勉強が必要だと感じている人が多いことが分かります。
そして「勉強が必要と思う理由」は、次の2つが多くなっています。
- 長く働き続けたい
- 収入を増やしたい
現役の期間をできるだけ長くして、できれば収入も増やしたいという気持ちが学ぶ理由となるのです。
継続して勉強している人は「3割」
次に「現在、何か仕事に関する継続した勉強をしていますか」と聞いています。
すると、「勉強している」という人は3割しかいません。
7割近い人は、仕事のためには勉強が必要と思っていても、実際には勉強をしていません。
「勉強をしていない理由」は、次の3つが多くなっています。
- 何を学べばよいか分からない
- 記憶力や集中力が低下している
- 勉強する時間が取れない
40代と50代を対象にしたアンケートだけに、「記憶力や集中力の低下」を自覚している人も少なくありません。
勉強したい分野は「語学」
ここからは、対象人数を絞って、もう少しくわしく勉強について聞いています。
まず、「勉強したい分野」では、「語学」が一番多くなっています。
仕事の上で、英語や中国語などの語学力の必要性を感じている人が多いのでしょう。
そして「財務、金融、会計、不動産」など、お金と法律が絡む分野が挙がっています。
三番目に多い「経営、人事、総務、法務」も含めて、会社の経営や実務に関係する分野の専門知識が必要とされているようです。
勉強の方法は「書籍や問題集」
「勉強の方法」で一番多いのは、「書籍や問題集」でした。
書籍を使った自習は、何かを学ぶときの方法として、基本であり続けているようです。
暗記の方法は「ノートに書く」
専門知識を学ぶときには暗記も欠かせません。
「暗記の方法」は、「ノートに書く」と「黙読」が多くなっています。
なお、回答中にある「チェックペンと色シート」は、暗記によく使われる文房具です。
これは、チェックしたい単語を、チェックペンでマークしたあとで、上に色シートを重ねると、黒くなって見えなくなります。
正解を確認したいときは、色シートをずらすと、隠れていた文字が表れます。
実際に勉強をしている人は少ない
アンケートの回答を見ると、上場企業の正社員であっても、勉強をしなければいけないと思ってはいても、実際に勉強している人は少ないことが分かりました。
「しなければならないと思っている」ことと、「している」ことの間には大きな差があるのです。
「学び直し」ができる人は、他の人にはない長所を持っているのです。
なお、勉強の方法は「書籍を使った独学」が中心でした。
暗記の方法も「ノートに書く」という基本的な方法です。
このあたりは、アンケートの対象が40代と50代という年齢も影響しているのかもしれません。
同じ質問を、成人前からスマホを使っている世代にすると、どのような結果が出るのでしょう。楽しみなような怖いような気がします。