2022年の自殺者は「21,584人」。男性が13年ぶりに増加

[2023/1/22 00:00]

新型コロナの影響で増加傾向が続く

2022年の自殺者数は「21,584人」でした。

これは、前年よりも577人増えています。

過去10年間の自殺者数を見ると、2019年までは減少が続いていましたが、2020年以降は増加傾向となりました。

原因の1つとして、新型コロナウイルス感染症の影響が考えられます。

出典:厚労省のデータをもとに編集部が作成

自殺者の3分の2は男性

2022年の自殺者のうち、男性は「13,939人」、女性は「7,068人」でした。

男性は自殺者の3分の2を占めています。

そして、2022年は、男性の自殺者が604人増え、女性は27人減りました。

ここ数年は、女性の自殺者が増えていましたが、それが止まる一方で、男性の自殺者が13年ぶりに増えました。

出典:厚労省のデータをもとに編集部が作成

「自殺死亡率」は都道府県によって2倍の差がある

人口10万人当たりの自殺者数を「自殺死亡率」と言います。

簡単に言えば、これが大きいと自殺に追い込まれやすく、少ないと自殺に至りにくいと言えます。

2022年の自殺死亡率は「17.2」でした。

これは、前年の「16.7」から増加しています。

自殺死亡率で見ても、2022年は、自殺に至りやすい年だったと言えるでしょう。

また、自殺死亡率は、都道府県によって大きな差があります。

自殺死亡率が一番高い「山梨」は24.3ですが、一番低い「徳島」は、ほぼ半分の12.5でした。

また、都会は自殺者数が多いため、自殺しやすいというイメージがありますが、「東京」は17.0、「大阪」は16.3で、いずれも全国平均の17.2を下回っています。

自殺死亡率は、人口の大小だけではなく、その県の気候や家族関係、公的なセーフティネットの有無など、さまざまな要素がからんでいることが分かります。

自殺率が高い県

  • 山梨 24.3
  • 秋田 23.7
  • 宮崎 22.7
  • 岩手 21.9
  • 青森 21.2
  • 愛媛 21.0
  • 和歌山 20.8
  • 福島 20.7
  • 富山 20.6
  • 鹿児島 20.1

自殺率が低い県

  • 徳島 12.5
  • 神奈川 13.9
  • 長崎 14.3
  • 京都 14.6
  • 鳥取 15.1
  • 山口 15.4
  • 千葉 15.8
  • 岡山 15.8
  • 香川 15.9
  • 愛知 16.0

困ったときの相談窓口

悩みを抱えている人の相談窓口としては、「日本いのちの電話」があります。

  • ナビダイヤル 0570-783-556
    午前10時~午後10時

また、厚労省による「相談窓口一覧」や、東京都による「東京都こころといのちのほっとナビ」も用意されています。

[シニアガイド編集部]