政府の補助金打ち切りで、5月使用分から値上げされる「電気料金」と「ガス料金」。一般家庭では2千円前後の打撃
政府の補助金が5月使用分で打ち切り
現在行なわれている「電気料金」と「ガス料金」への政府の補助金が、2024年5月使用分で打ち切られることになりました。
この補助金は、「電気・ガス価格激変緩和対策事業」と呼ばれるもので、ロシアのウクライナ侵攻の影響で、2023年2月に始まりました。
しかし、「電気やガスの原料となる、LNG(液化天然ガス)や石炭の輸入価格がロシアのウクライナ侵略前と同程度に低下してきた」として打ち切りが決まったのです。
これによって、一般家庭では2,000円前後の負担増となり、家計への打撃が避けられません。
一般家庭で500~1,000円程度の値上げ
補助金がなくなると、どれぐらい料金が上がるのでしょう。
まず、電気料金から見ていきましょう。
政府の補助金は、4月使用分までは「3.5円/kWh」、5月使用分は「1.8円/kWh」です。
東京電力で家庭用として一般的な「従量電灯B」プランでは、1カ月の使用量を「260kWh」としています。
つまり、4月使用分は「260×3.5=910円」、5月使用分は「260×1.8=468円」安くなっています。
これが無くなるわけですから、500円~1,000円ぐらい値上がりすることになります。
もう一つある値上げの要素
電気料金については、政府の補助金以外にも値上げの要素があります。
それは「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の値上げです。
これは、太陽光発電などの再生可能エネルギーを援助するために、課せられているものです。
一般家庭の場合、4月使用分までは「1.40円/kWh」でしたが、5月使用分からは「3.49円/kWh」になります。
さきほどの「従量電灯B」プランで計算してみましょう。
(3.49-1.40)×260=543.4円
つまり、5月使用分からは543円値上がりすることになります。
政府の補助金の分と合わせると、5月使用分からは1,000円~1,500円ぐらい電気料金が高くなります。
もちろん、電気を良く使う家庭では、さらに負担は大きくなります。
ガス料金は数百円の値上げ
次にガスについて、見てみましょう。
政府の補助金は、4月使用分までは「15円/立方m」、5月使用分は「7.5円/立方m」です。
東京ガスの基本契約のモデル料金では、1カ月の使用量を「30立方m」としています。
つまり、4月使用分は「30×15=450円」、5月使用分は「30×7.5=225円」安くなっています。
5月から6月にかけて、200円~450円ぐらい料金が上がると思えば良いでしょう。
一番の対策は使う量を減らすこと
今回の政府の補助金の打ち切りにより、一般家庭では電気料金が1,000円~1,500円程度、ガス料金が200円~450円程度値上がりすることが分かりました。
両方合わせると、2千円前後は負担が増えると覚悟しておきましょう。
ウクライナ侵攻以来、ほぼすべての業者が値上げを行なったため、以前のように業者やプランを変えることで節約することは難しくなっています。
電気もガスも使う量を減らすことが、一番の対策です。
必要な分だけ使い、無駄な分を減らすという、メリハリのある使い方で、料金を下げるように心がけてください。