鉄道旅行が大好きな方に向いたシニア会員組織「ジパング倶楽部]【更新】

[2015/9/28 00:01]

JR6社共通のシニア割引

「ジパング倶楽部」は、JRグループで旅客を扱う6社が提供しているシニア向けの会員組織です。

全国のJR線を利用して旅を楽しむ会員のための組織として、JR6社が共同運営する旅行クラブで、ジパング倶楽部会員になると、JR6社の長距離切符が2割から3割引きで購入できます。

しかし、現在では、JR各社が独自の割引サービスやクレジットカードサービスと組み合わせて提供しており、JR6社の間では総合的なサービス内容は異なってきています。

まず、ジパング倶楽部共通の特徴を解説し、次に各社独自のサービスを紹介しましょう。

ジパング倶楽部共通の特徴

  1. 男性満65歳以上、女性満60歳以上が対象
  2. 夫婦のどちらかが満65歳以上ならば、配偶者の年齢に関係なく夫婦会員になれる
  3. 年会費は1人あたり3,770円、夫婦会員は2人で6,290円
  4. 会員誌「ジパング倶楽部」が毎月送付される
  5. JR線の営業キロで201km以上の切符が2割引または3割引で購入できる。往復でも可
  6. 4月27日~5月6日、8月11日~20日、12月28日~翌年1月6日は利用できない
  7. 購入した切符は、ジパング倶楽部会員本人しか利用できない
  8. 往復割引を除き、他の割引と併用はできない
  9. 新幹線「のぞみ」、「みずほ」の特急料金及びグリーン料金は対象外
  10. 「グランクラス」、グリーン個室、寝台料金などは対象外
  11. 「e特急券」などの料金券タイプの「お得なきっぷ」と併用できるが、お得なきっぷ自体は割引にならない
  12. 「会員証」と「会員手帳(旅行記録証、購入証)」が発行されるので、旅行時には必ず携帯する

つまり、年末年始やGWなどの繁忙期を除いた期間に、最上級の新幹線や寝台列車などを除いた列車の切符が安く買えるシステムです。

割引率は1年目のみ3回目までの利用が2割引、4回目からは3割引になります。2年目以降はすべて3割引となります。割引回数の上限は年に20回です。

「ジパング倶楽部」は、一人あたり3千円以上の年会費がかかりますから、年に1回は利用しないと会費の元がとれません。鉄道旅行が好きで、年に何度も出かける人が対象の会員制度と見てよいでしょう。

JR各社の独自サービス

JR各社の「ジパング倶楽部」と独自サービスとの関係をまとめてみました。

  • JR北海道 独自の会員制サービス「悠遊旅倶楽部」に無料入会。JR北海道内の料金が3割引きになる。年齢制限がジパング倶楽部より緩く、年会費が1,540円と安いので、JR北海道内限定ならば、ジパング倶楽部よりも悠遊旅倶楽部だけにする選択もある

    【2015年10月23日追記】悠遊旅倶楽部は、2016年3月31日で新規申し込みと更新手続きを終了し、2017年3月31日でサービスを終了します。

    悠遊旅倶楽部会員の皆様へ重要なお知らせ(PDF)

  • JR東日本 クレジットカードサービスと一体になった「大人の休日倶楽部ジパング」が主力。決済方法が自社のクレジットカードに限られる代わりに、「大人の休日倶楽部パス」など会員専用の格安切符が購入できる

  • JR東海 独自の新幹線予約システム「エクスプレス予約」などとの連携はなく、素のままのジパング倶楽部を販売している

  • JR西日本 50歳以上限定の会員組織「おとなび」と連携しており、山陽新幹線の早割切符などの会員限定切符が購入できる

  • JR四国 独自サービスとの連携はない。独自サービスの「四国エンジョイクラブ」は、年齢制限が緩く、71km以上で使用できて、年会費が1,500円なので、JR四国限定ならばこちらに入会する手もある

  • JR九州「JR九州マイ・ウェイ・クラブ」に自動入会となる。JR九州限定ならば、マイ・ウェイ・クラブの方が割引率が最大4割と高く、会費が安い(個人1,500円、夫婦2,000円)ので、よく検討する必要がある。

ジパング倶楽部の利点は、全国のJRに共通の割引であることです。特に、新幹線を使った長距離の旅行であれば、1回の旅行の割引分で年会費の元がとれます。

逆に、乗車する範囲が、地元のJRの営業範囲内に限定されているのであれば、その会社の独自会員サービスの方が、年齢制限の緩さや、会費の安さ、割引率の高さなどのメリットがあります。

とくに、JR北海道、JR四国、JR九州については、ジパング倶楽部に入会する前に、必ず地元JR独自の会員サービスと比較しましょう。

「JR東日本ジパング倶楽部」特別会員制度

最後に、身障者手帳をお持ちの方に専用の特別会員制度を紹介します。

これは「JR東日本ジパング倶楽部」が行なっている特別会員制度で、身体障害者手帳をお持ちで、男性なら満60才、女性なら満55才以上が対象となります。

年会費は1,350円で、会員誌の送付は行ないません。その他の諸条件は、ジパング倶楽部の会則に準じます。

入会および更新の手続きは、各都道府県の日本身体障害者団体連合会の加盟団体を介して行なわれます。例えば、JR四国の管内にある香川県身体障害者団体連合会なども、この特別会員制度を紹介しています。

JR東日本の窓口では扱っていないので、身障者手帳をお持ちの方は、地元の障害者団体にお問い合わせされることをおすすめします。

[シニアガイド編集部]