収入が年金だけでも、確定申告するとトクをする!?

[2016/1/29 02:34]

【お知らせ】2018年2月の年金の金額が少なかった件については、こちらの『2018年2月15日に振り込まれた年金の金額が少ないトラブル』をご参照ください。

年金にも所得税がかかっている

60歳以上に支給される「老齢年金」は、税法上「雑所得」となり、所得税の対象です。

つまり、老齢年金からも税金は徴収されています。

しかし、年金は支給時に、所得税が天引き(源泉徴収)されているので、あまり意識していない方もいらっしゃいます。

例えば、医療費がたくさんかかった年などには、確定申告をすることで、所得税の精算を行ない、払い過ぎた税金を還付(払い戻し)してもらえます。

どんなときに確定申告するとトクをするかをご紹介しましょう。

多くの年金生活者は確定申告が不要

最初に、確定申告をする必要がある人と、ない人の判断基準を見てみましょう。

この基準は簡単で、公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ、公的年金等に係る雑所得以外の各種の所得金額が20万円以下である場合には、確定申告は必要ありません。

つまり、年金だけで生活しているほとんどの方は、確定申告をする必要はありません。

この制度は「年金所得者の確定申告不要制度」と言って、2012年にできたものなので、古い本やガイドブックには書かれていません。ご注意ください。

年金受給者で確定申告が必要な人、不要な人 出典:政府広報オンライン

人生のイベントがあれば確定申告をしよう

基本的には、年金生活の方は確定申告をしなくてすむのですが、確定申告をすることで、所得税の一部を返してもらえる場合があります。

大雑把な例えですが、人生におけるイベントがあると、税金を返して貰える可能性があります。

政府は、住宅を買うとか、家族が増える(減る)などの大きなイベントがあると、それに応じた「控除」を用意しています。この「控除」によって、その人の個人的事情を税金に反映させています。

所得税を計算するための金額である「所得」は、「収入」から「控除」の金額を引いて計算します。

つまり、「控除」の対象となるイベントがあると、収入から引く金額が大きくなって、所得が下がるので、所得税の金額も下がります。イベントを想定せずに取り過ぎていた税金から、金額が下がった分を返してくれるわけです。

税金が戻ってくる場合

税金が戻ってくる可能性がある、主なイベントを紹介しましょう。

  1. 家族構成が変わったとき
  2. 一定額以上の医療費を支払った
  3. 国民年金などの保険料を振り込みで支払っている
  4. 災害や盗難に遭った
  5. マイホームを住宅ローンなどで取得/リフォームした
(1)家族構成が変わった時
例えば、子供の独立などで扶養する家族の数が変わると「扶養控除」に影響します。また、夫婦の死別や離婚などの場合「寡婦控除」や「寡夫控除」の対象となります。寡婦控除や寡夫控除は、あまり知られていませんが、控除額が27万円からと大きいので、該当する場合は必ず申告しましょう。
(2)一定額以上の医療費を支払った時
年間の医療費が多い時に受けられる「医療費控除」の対象となるのは、一般には「10万円以上」とされています。しかし、正確には「所得が200万円以下の場合は、所得の5%以上」も対象となります。例えば、年金による所得が100万円の場合、医療費が5万円以上であれば、医療費控除の対象となります。年金額が少ない人は、対象となりやすいので、普段から医療費の領収書を集めておきましょう。
(3)国民年金などの保険料を振り込みで支払っている
年金から特別徴収で天引きされている保険料は、「国民健康保険料」「介護保険料」「後期高齢者医療保険料」の3つです。これ以外に、振り込みなどで国民年金などの社会保険料の支払いを行なっている場合は、「社会保険料控除」の対象となります。「社会保険料控除」は保険料が全額控除できるので控除できる金額が大きくなりやすいので、申告する価値があります。
(4)災害や盗難に遭った時
災害や盗難、横領などによって損害を受けた時は、「雑損控除」の対象となります。損失額が大きくて、その年に控除が使い切れない時は、翌年以降にも持ち越せます。なお、詐欺の被害は対象となりません。
(5)マイホームを住宅ローンなどで取得/リフォームした
住宅ローンに関する控除は手厚く用意されており、新築に限らず、バリアフリー化工事や耐震工事などのリフォームでも対象となります。住宅ローンの借り換えや、離婚による財産分与に伴う場合でも対象となることがあります。住宅についてローンを組む程度の大きな変化があった場合は、確定申告をしましょう。

できるだけ早く税務署に相談に行こう

確定申告は地元の税務署で行ないます。パソコンに慣れている方は、国税庁の「確定申告書作成コーナー」で書類を作成することもできますが、最初は税務署に足を運んで、相談しながら作業することをお勧めします。

税務署に行く際には「源泉徴収票」や、お金の出入りがわかる領収書やレシート、口座振替の状況がわかる銀行の通帳、印鑑などを持参しましょう。書類は税務署に用意されています。

確定申告の期間は、2月16日から3月15日ですが、「医療費控除」などの還付申告(お金を返してもらうだけの申告)の場合は、1月中から受け付けています。

3月に入ると税務署は混みあいますから、できるだけ早い時期に必要な書類を揃えて相談に行ってみましょう。

一度コツが分かれば、次回からは「確定申告書作成コーナー」で書類を作成できます。還付金という見返りのある、年に一度の手頃なお仕事として習慣にすることをお勧めします。

[シニアガイド編集部]