海外勤務の際は、日本と赴任地のどちらに年金保険料を納める!?

[2016/2/22 00:11]

海外勤務における年金問題

会社員が海外の拠点で勤務するなど、長期間に渡って海外に滞在する場合に、相手国側の社会保障制度への加入義務が生じます。

しかし、日本の厚生年金の加入資格は、どこに居住しているかどうかを問いません。海外に滞在していても日本企業に雇用されている限り、資格が維持されており、年金保険料を支払い続ける必要があります。

つまり、現地の年金制度への保険料と、厚生年金の保険料とが二重にかかることになります。また、現地で納めた保険料は、滞在期間が短く、年金の受給資格が得られないために掛け捨てになってしまう場合があります。

この不都合を解消するために、日本と国交のある主要国については「社会保障協定」という協定が結ばれています。

「社会保障協定」が有効なのは15カ国

まず、日本が「社会保障協定」を結んでいる国の一覧を見てみましょう。全部で19カ国ですが、現時点で有効なのは15カ国のみです。

  • 「社会保障協定」を結んでいる国 ドイツ、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリー
  • 「社会保障協定」を結んでいるが「保険料の二重負担防止」に限定されている国 イギリス、韓国
  • 「社会保障協定」を結んでいるが、まだ有効ではない国 イタリア、インド、ルクセンブルク、フィリピン

「社会保障協定」の2つの利点

「社会保障協定」には、2つの利点があります。

二重加入の防止
「保険料の二重負担」を防止するために加入するべき制度を二国間で調整する。特に、5年以内の短期滞在の場合は、日本の年金制度にのみ加入すればよく、協定相手国の社会保障制度の加入が免除される
年金加入期間の通算
保険料の掛け捨てとならないために、日本の年金加入期間を協定を結んでいる国の年金制度に加入していた期間とみなして取り扱い、その国の年金を受給できるようにする

「年金加入期間の通算」を利用して、日本と相手国の年金制度の加入期間を合わせて計算する場合に、相手国で支払った年金保険料がどのように評価されるかは、それぞれの国によって異なります。あらかじめ、長期滞在が見込まれる場合は、よく確認しておきましょう。

また、長期滞在で相手国での年金受給資格がある場合は、申請することで受給できる場合があります。手続きを代行する社労士事務所も出てきていますので、長期間滞在した経歴がある場合は検討しても良いでしょう。

制度を利用するためには手続きが必要

「社会保障協定」の最大のメリットは、「海外勤務が5年以内の場合は、日本の厚生年金にのみ加入すれば良い」でしょう。

しかし、「社会保障協定」を利用するためには、あらかじめ手続きが必要です。

また、この協定は、協定を結んでいる国から日本で働く場合にも適用されますが、この場合も手続きが必要です。

これらの手続きについては、対象国によって異なりますので、日本年金機構のホームページで確認してください。

[シニアガイド編集部]
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