「仲間」と一緒にウォーキングを続けたい人のための無償公開マニュアル

[2016/3/4 00:05]

無償公開とは思えない充実したテキスト

東京都健康長寿医療センター研究所は、研究成果や書籍を無償公開しています。

特にお勧めしたいのが「習慣化したい人のためのウォーキングプログラム テキスト 改訂版」です。

「習慣化したい人のためのウォーキングプログラム テキスト 改訂版」表紙

これは、表紙を除いても118ページもある、しっかりした内容のテキストです。

公開日は2012年3月ですが、とくに内容が古くなっている部分はなく、そのまま普通の入門書として利用できます。

前書きには「このテキストは、ウォーキングに興味を持ち、また、ウォーキングを習慣化したい人のために書かれたテキストです。(中略)無理のない小さな目標を達成して行くことで、最終的に目指す目標に到達することができるようになっています」と書かれています。

「また、ウォーキング仲間を作り、自主的な活動を続けることを目指します。このような活動を通じて、(中略)生きがいとして活動を長く維持していくことができるものとなっています」とあり、「仲間作り」を目指して点が特徴となっています。

目標は1日7,000歩~8,000歩

前書きに書かれている計画が遠大すぎると感じる人もいるかもしれませんが、このテキストに書かれているウォーキングプログラムの目標は、ごく一般的な水準です。

  1. 生活歩数:1日7,000~8,000歩、週5日以上
  2. 早歩き:1日合計30分以上、週3回以上
  3. グループ活動:仲間とのウォーキングを1年以上継続する

また、「70歳以上の方で運動を普段からしていない人」や「次のチェックリストにひとつでも当てはまる人」は、医師に相談してからはじめるようにと、チェックリストも掲載されています。

活動を記録するための「ウォーキングカレンダー」も用意されていますので、プリントアウトして利用しましょう。

「ファシリテーター」という言葉

このテキストを読んでいると、「ファシリテーター」という言葉が出てきます。

これは「活動支援者」とも訳されるもので、東京都健康長寿医療センター研究所では認知症予防などの活動において、指導やサポートを行なう役割の人を指します。

このウォーキングプログラムにおいて、ファシリテーターがやるべきことはテキストに書かれていますので、自分がファシリテーターの役割を果たすこともできます。最初は、あまり気にせずに「指導者」ぐらいに読み替えておけば良いでしょう。

また、興味があれば「NPO認知症予防サポートセンター」が、このテキストを使った研修を過去に行なっていましたので、問い合わせてみると良いでしょう。

地域や職場などでの活動を考えている人にオススメ

このテキストは、ウォーキングを思い立った人の役に立つ本です。

このような充実した内容のテキストが無償公開されていることは、素晴らしいことです。

とくにこのテキストは、地域や職場、学校などでウォーキングサークルを作る場合に、とても役に立つでしょう。

せっかくの無償公開ですから、まずはダウンロードして「前書き」だけでも読んでみてください。

[シニアガイド編集部]