高齢者になったら「夫婦二人暮らし」か「一人暮らし」を想定しておこう
高齢者はどんな世帯で暮らしているのか
「現在の高齢者の方は、どんな家庭を営んでいるのでしょう?」
厚労省の「国民生活基礎調査の概況」という調査を基に調べてみました。
この調査では「世帯(せたい)」という単位で、生活の形を捉えています。
「世帯」とは「同居している家族」と考えておけば良いでしょう。
昔なら、「井上家」などというときの「~家」ですね。
もちろん、一人暮らしの場合でも、一世帯と数えます。
高齢者世帯は増え続けている
上の図は、全ての世帯数と高齢者世帯数の変化をグラフにしたものです。
「高齢者世帯」は、「65歳以上の高齢者のみか、それに18歳未満で未婚の者がいる世帯」のことです。
例えば、高齢者の一人暮らしとか、老夫婦の世帯を指します。
そして、子や孫が同居している場合は、未婚で未成年という制限がありますから、生活の柱は高齢者が担っているわけです。
グラフでもわかるように、「高齢者世帯」は、ここ30年間増え続けてきました。
高齢者世帯の割合は、2014年の時点で「24.2%」ですから、全世帯の4分の1を占めています。
高齢者がいる世帯でも子供世代との同居は少ない
高齢者がいる世帯では、「夫婦のみの世帯」が多く、「単独世帯(一人暮らし)」が続きます。
子供世代と同居している「親と未婚の子のみの世帯」や「三世代世帯」は少数派です。
一人暮らしの高齢者は女性が多い
一人暮らしの高齢者の「68.0%」が女性です。
女性が多いのは、女性のほうが平均寿命が約10歳長いからです。
そのため、老夫婦のどちらかが亡くなって一人暮らしになるときに、女性が残る場合が多いのです。
男女の年齢別構成比を見ると、女性の一人暮らしは男性に比べて年齢が高く、この推測を裏付けています。
子供の独立→夫婦二人暮らし→女性の一人暮らしという流れを想定しておく
ここまでで分かったことをまとめて見ましょう。
- 高齢者世帯は増え続けており、全世帯の4分の1を占めている
- 高齢者がいる世帯の半分は「夫婦二人暮らし」か「一人暮らし」になっている
- 高齢者の一人暮らしの「68%」は女性が占めている
こういう流れが生まれた背景は変わっていないので、これから高齢者になる方も、夫婦二人暮らし、または一人暮らしになる確率が高いでしょう。
いったん夫婦二人暮らしになった場合も、将来的には女性の一人暮らしになる確率が高いでしょう。
高齢期はずっと先と思っている方でも、生活の節目となる機会、例えば、住む場所の決定や、住宅の間取りの選定などの機会には、こういう将来の生活像を頭に入れておきましょう。
そうすることで、日常的な買い物をする場所との距離や、医療機関へのアクセス、高齢期になっても住みやすい間取りなど、これまでとは違ったチェックポイントが見えてくるでしょう。