シニアの自殺原因は「健康問題」が最多
自殺者は毎年減っている
厚生労働省から「平成28年度版自殺対策白書」が公開されました。
ここでは、この白書を基に、高齢者の自殺について紹介します。
まず、日本の自殺者数の推移から見ていきましょう。
2015年の自殺者数は「24,025人」で、18年ぶりに2万5千人を切りました。
日本の自殺者数は、一時は年間3万人を越えていましたが、「自殺対策基本法」の制定などの対策が実り、この数年は減少を続けています。
また、グラフ見ると、常に男性の自殺者の方が多いことがわかります。
自殺者は40代から60代に多い
自殺者を年齢階層別に見ると、「40代」が多く、「50代」と「60代」が続きます。
「10代」「20代」「80代」は、自殺者数が少ない年代です。
自殺の原因は「健康問題」が多い
自殺に至る動機や原因などについて見ると、「健康問題」が49%と多く、「経済・生活問題」と「家庭問題」が続きます。
なお、自殺の原因については、1つの自殺について最大3つまで記載されます。
そのため、パーセンテージについては、だいたいの目安と受け取ってください。
高齢者の自殺も減っている
60代以上の高齢者に絞って、最近の自殺者数の推移を見ても、各年代とも減少し続けています。
特に「60代」の自殺者数は、一時期の3分の2に減りました。
高齢者の悩みも「健康問題」
60代以上の高齢者の自殺原因の1位は「健康問題」です。
次に「家庭問題」と「経済・生活問題」が続きます。
「家庭問題」はどの年代でもあまり差がないのに対し、「経済・生活問題」は60代に特に多く、70代と80代では少なくなってます。
60代は定年退職や年金の受給開始など、お金にからんだイベントが多い年代であり、生活環境も変わるので経済的な問題が起こりやすいのでしょう。
また、他の年代で多い、「勤務問題」や「男女問題」は、高齢者層では少なくなっています。
自殺は減少を続けているが、困ったときにはすぐ相談を
高齢者の自殺は、暗いニュースとして取り上げられることが多いため、増加しているというイメージを持っている方も多いでしょう。
しかし、全体を見ても、高齢者だけに限っても、自殺者数は減り続けています。
ただし、一時に比べて少なくなったというだけで、他の国に比べて、少なくなったわけではありません。
自殺を防ぐ一番の方法は、思い悩んでいる人の孤立を防ぐことです。
身近な人に相談しにくい場合でも、政府機関や民間など、多くの組織が相談窓口を開いています。
思い迷うことがあったら、思い切って相談することから始めてみましょう。