老後に不安を感じているが、貯金できない人が多数派
非正社員も含む、幅広い年齢の意識調査
連合のシンクタンク「連合総研」が「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート調査」の結果を公開しています。
この中で、勤労者が持つ老後の不安や、老後に備える貯金などについて聞いているので、紹介しましょう。
調査は、首都圏と関西圏の民間企業に勤める成人男女2,000人を対象にインターネットで行なっています。
内訳は20歳から64歳までの男女で、うち3分の2が正社員、3分の1が非正社員となっています。
70%以上の人が老後に不安を感じている
「老後の経済状況を考えたときに、不安を感じるか」という問いには、「強く不安を感じる」という回答が38.9%で1位でした。
2位も「やや不安を感じる」で、「強く不安を感じる」と合わせると71.8%の人が、老後に不安を感じていると回答しています。
老後に向けて貯金をしている人の方が少ない
しかし、「老後に向けて貯蓄を行なっていますか」という質問に、「行なっている」と回答したのは44.2%で、半分以下でした。
65歳時点で、「2,000万円~4,000万円」あれば安心と思っている人が多い
「65歳の時点で、どれぐらい貯金があれば安心か」という質問には、「2,000万円~4,000万円」という回答が一番多くなっています。
しかし、2位以下はほぼ横並びで、「1,000万円未満」から「6,000万円以上」まで、幅広く分布しています。
半数以上の人は、十分な蓄えはできないと思っている
「老後に向けて、十分な蓄えができますか」という質問には、「十分な蓄えはできない」という回答が一番多く、41.5%に達します。
これに、「どちらかといえば十分な蓄えができない」という人を合わせると64.1%になり、半分を超えます。
十分な蓄えができない理由は「収入が低いから」
十分な蓄えができないと回答した人に、その理由を聞くと、1番は「収入が低いから」でした。
76.8%の人が、この理由を挙げており、他の理由を圧倒しています。
若い人ほど、年金をあてにしていない
老後生活の収入の柱である「公的年金」を「老後の生活費のあてにしている」人は、若い年齢層ほど少なくなっており、年金への不信感が高まっていることがわかります。
年金への不信感は高まるが、老後のための貯金をする余裕はないという生活状況が浮かび上がります。