株や投資信託、FXなどの取引に関するトラブルについて無料相談できる窓口

[2016/6/17 00:00]

投資関係のトラブルは尽きない

株式や投資信託、FXなどの投資には、元本割れなどのリスクがつきものです。

しかし、「投資のリスクがきちんと説明されていなかったり」、「元本保証と言っていたのに、そうではなかった」など、自分自身の責任ではないトラブルが絶えません。

銀行や証券会社などと、トラブルになった場合には、商品知識の差などがあり、なかなか自分の思うことを言うことができません。

また、裁判による解決には、時間とお金がかかります。

こういうときに、無料で相談でき、必要に応じて少ない金額で「あっせん」が受けられる窓口が用意されています。

それが「特定非営利活動法人 証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC:フィンマック)」です。

金融商品の取引に関するトラブルの解決が目的

フィンマックは、証券会社などの5つの業界団体が、問題解決機能を統合して、2010年に独立させたものです。。

特定非営利活動法人(NPO)ですが、金融庁や法務省からも認証を受けています。

フィンマックの位置付け

設立の目的は、「金融商品取引業者等と顧客との間の取引に関する相談、苦情処理及び紛争解決」です。

具体的な業務は次の3つです。

  • 相談:無料で電話相談を受け、相談員が助言やアドバイスをします
  • 苦情取次:無料で苦情を受け付け、その内容を相談員が事業者に伝えて、解決を目指します
  • あっせん手続(紛争解決):弁護士であるあっせん委員が、相談者と事業者との間に入って解決を目指します

相談の内容として次のような例が挙げられています。

  • 株式、債券、投資信託を購入する際(勧誘時)に、担当者から十分な説明がないままに買ってしまい、思わぬ損失が生じて納得できない。
  • 株式(債券、投責信託など金融商品)の勧誘を受けたとき、良い事ばかり強鯛され、リスク(損失が発生する危険性)について説明がなかった。
  • リスクについて説明を受けたものの、よく理解できないまま買ってしまった。
  • 持っている投資信託を解約したいが、事業者が応じてくれない。
  • 私(お客様)の知らないところで無断で売買が行われてしまった。

フィンマックは、第三者として相談や苦情を受け付けてくれるので、事業者と一対一で話をしている状態で行き詰まっている場合でも、解決しやすくなります。

困ったときの相談窓口として、覚えておきましょう。

「あっせん」という選択肢

相談や苦情でも解決がつかない場合は、「あっせん」という選択肢があります。

あっせんは、弁護士である「紛争解決委員」の立会いのもとで、当事者同士の話し合いにより、解決を目指す仕組みです。

あっせん自体は、裁判に比べると、ずっと軽い負荷で申し立てができます。

1つは手続きに時間がかからないことです。申し立てを受けたときから、4か月以内の解決を目指しています。

もう1つは、費用が軽いことです。

あっせんは、無料ではなく、相談者が相手方事業者に対して損害賠償の請求を行なう金額に応じて、「あっせん申立金」を支払います。

ただし、あっせん申立金は、請求金額が100万円以下の場合は2,000円で、5,000万円を越える場合でも50,000円です。

弁護士を立てて民事裁判を行なう場合に比べれば、ずっと少ない負担で始められます。

あっせんでどれぐらい解決できるのか

あっせんを申し立てた場合、どれぐらいの割合で解決できるものなのでしょう。

平成27年度(2015年度)上半期で見ると、この6カ月間に集結したあっせんは43件でした。

そのうち「和解」したのは25件、「不調」で終わったのが18件です。

和解率は58%ということになります。

もちろん、和解率は申し立ての内容によって変わるわけですが、和解の方が多いのは良い情報でしょう。

なお、あっせんの平均開催回数は1.2回なので、ほとんどのあっせんは1回で終了していることがわかります。この点でも、裁判に比べて負担が軽いことがわかります。

あっせんの事例については、フィンマックのホームページにPDFファイルとして公開されています。それを読むと、自分があっせんを申し立てた場合に、和解に持ち込めるかどうかが判断できるでしょう。

投資関係でトラブルが起きたときは、問題解決方法として検討してみましょう。

[シニアガイド編集部]