2030年までの個人向け不動産動向が分かる4つのグラフ
2030年までの不動産動向を予想
野村総合研究所(NRI)が、2030年までの個人向け不動産の動向について、2本のリリースを公開しています。
このリリースでは、2030年という人口・世帯数減少時代に向けて、新築やリフォームなどの件数の推移が予想されています。
リリースと同時に公開された4枚の図版で、不動産分野の変化を見てみましょう。
新築物件は減り続ける
家を新築する件数である、新設住宅着工戸数は、2020年度には約79万戸、2025年度には約67万戸、2030年度には約54万戸と見込んでいます。
ここしばらくは微増が続いていた新築物件ですが、今後は減リ続ける予想です。
リフォーム市場は横ばい
住宅設備の更新や改築などのリフォーム市場は、横ばいが続くと予想されています。
市場規模は、エアコンや家具等の耐久消費財やインテリア商品等の購入費を含めた、いわゆる「広義のリフォーム」で年間約6兆円です。
耐久消費財やインテリアを含まない「狭義のリフォーム」ではそれより1兆円前後少ない規模とされています。
「空き家率」が上昇する
こちらは2033年の予想となりますが、総住宅数は約7,130万戸へと増大し、空き家数は約2,170万戸、空き家率は30.4%へと、いずれも上昇する見込みです。
つまり、すべての住宅の10件に3件は空き家になるという予想です。
中古住宅の流通量が増える
NRIの調査によれば、既存住宅(中古住宅)を購入した世帯の比率は、2005年の18%から2015年には29%に増加しています。
それだけ、新築にこだわらず、既存の住宅を購入する層が増えているのです。
この傾向がこのまま続くとすると、既存住宅を購入する率は、2025年には42%、2030年には48%に増える見込みです。戸数で見ると、2025年に31万戸、2030年に34万戸に達します。
2015年の既存住宅の流通量は26万戸ですから、2030年には9万戸も流通量が増えることになります。
不動産については2030年の状況も考慮したい
ここまでの結論をまとめると、次の4つになります。
- 新築物件は減り続ける
- リフォーム市場は横ばい
- 「空き家率」が上昇する
- 中古住宅の流通量が増える
2030年というと、かなり先のように感じますが、一般に不動産を購入する際に組むローンは、20年から35年という長期に及びます。
家を購入する際の決断の材料として、これらの図版も考慮に入れてください。
また、定年を期に住みかえを考えている方や、相続対策として家屋の建て替えやアパート建設を考えている方も、参考になるでしょう。