もうすぐやってくるお盆の日程と準備
お盆の準備をする季節
そろそろお盆の時期が近づいてきました。7月にお盆をする場合は、6月末のいまから準備が必要です。
ここでは、メモリアルアートの大野屋に寄せられた問い合せを元に、お盆の準備についておさらいをしましょう。
お盆の時期
もともとお盆は、旧暦の7月15日の「中元(ちゅうげん)」に行なわれていました。
明治になって、旧暦から新暦に変わるときに、地域によって次のような違いが出ました。
- 旧暦の7月15日に相当する日に行なう(8月中旬~9月初旬)
- 新暦の7月15日に行なう
- 新暦の8月15日に行なう
全国的には8月15日に行なわれることが多いのですが、地域によって異なるので確認が必要です。
例えば、東京の下町では、お盆は新暦の7月15日に行なわれます。浅草の浅草寺の「盂蘭盆施餓鬼会(うらぼんせがきえ)」というお盆の行事も7月15日です。
特に家族の結婚などで、新しく親戚になった家などは、「お宅のお盆は何月ですか」と必ず確認しておきましょう。
お盆の日程
お盆の行事は、だいたい次のような日程で行なわれます。
- ~7月12日(8月12日): 盆棚や提灯を組み立てるなど事前に準備を行ないます。
- 7月13日(8月13日) :盆棚にお位牌を移し、お供えをし、外が暗くなってきたら迎え火を焚きます。
- 7月14日 (8月14日):朝夕、ご霊膳などのご馳走をつくり盆棚へお供えします。
- 7月15日又は16日(8月15日又は16日): ご先祖様は午前中まで自宅にいると言われるので、ご馳走をお供えします。外が暗くなってきたら送り火を焚き、ご先祖様をお送りします。
菩提寺(ぼだいじ)から、お坊さんが来て法要をする場合は、その準備も早めにしましょう。
マンションなどで送り火や迎え火を焚けない場合
「迎え火」は、本来は自宅の庭や玄関先でおがらを焚き、その煙にのってご先祖様が帰ってくるとされています。ただ、現代の住宅事情では伝統的な方法を実行できないこともあります。
マンションの場合は使用規定などを確認し、管理者の許可が出れば共用の庭やエントランスを出た先などで行なう方法もあります。おがらは意外と炎と煙がよくたつので、短く折って小さな火で短時間焚く程度にとどめましょう。
その際、床や地面を汚したり傷つけたりしないよう、「ほうろく」という素焼きのお皿を使います。ほうろくの上で火を焚くと後の処理も簡単です。
お盆にもお墓参りに行くべきか
「ご先祖様は自宅に帰ってきているから、お墓は留守のはず」 という考え方もありますが、お盆は本来故人を供養する期間です。地域によっていろいろな風習がありますが、供養という意味でもお墓参りは行った方がよいでしょう。
できれば、お盆期間の前にお墓の掃除などを済ませておき、当日はお墓やお供え物を供え、お線香を焚いてお参りするのが理想的です。
納骨前でもお盆の供養は必要か
墓地の事情などで四十九日を過ぎていても遺骨を自宅に安置したままというケースは少なくありません。また、最近では手元供養をされている場合もあります。
「お骨があるのだから、亡くなった人はずっと自宅にいるはず」と考えてしまいがちですが、お盆がご先祖様をお迎えする行事であることには変わりありません。遺骨が自宅にある場合でもお盆は行ないましょう。
盆提灯は必要か
盆提灯には、ご先祖様が自宅に帰っていらっしゃる際、明かりが目印になるという意味合いがあります。また、左右に置かれた盆提灯の明かりがご先祖様の通り道になるとも言われており、一対で用意するのが正式とされています。
ただ盆提灯は、高さが60~70cmほどあり、対で置くにはそれなりのスペースが必要になります。住宅事情によっては盆提灯は1つだけでも構いません。また、最近は卓上に置ける小型の提灯も出てきています。
お盆用品の処分
新盆で使う白紋天(白提灯)やお供え物は、川や海に流したり、燃やしたりして処分する地域もありますが、最近は家庭ごみとして捨てるのが一般的になりつつあります。紙などに 包んで他のごみとは区別し、地域のやり方で処分するのがいいでしょう。