60代男女がスマホに割いている時間は、テレビの10分の1以下
60代は、他の年代と接するメディアが異なる
博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所が公開した「メディア定点調査2016」に、年代別の面白いデータを見つけました。
その人が、どのようなメディアに接触しているかを、1日当たりの平均を取ってグラフ化したものです。
赤い枠で囲って示した60代の男女のデータを見ると、下の方に赤で示された「テレビ」が他の年代よりも明らかに大きく、下の方に緑で示された「携帯電話・スマートフォン」は小さくなっています。
60代は、利用しているメディアについてみると、他の年代とは異なる独自性の強い年代なのです。
60代男女は、スマホよりテレビを見ている時間が長い
では、実際に、どのメディアにどれぐらいの割合で接触しているのか、別のグラフで見てみましょう。
下に示したのは、各世代の中で、メディアに接触している時間が一番長い「20代女性」が利用しているメディアを円グラフにしたものです。
これを見ると、一番長く視聴しているのは「スマートフォン」で、次が「テレビ」です。
特に、「スマートフォン」は、メディアに接触している時間の43.6%も占めています。
これが、60代男性では「テレビ」が1番長い時間を取っており、次は「パソコン」です。
「ラジオ」「新聞」も、10%以上を占めており、存在感を保っています。
メディアに接している時間のうち、47%はテレビを見ていますが、スマートフォンに使っているのは4.7%に留まってます。
つまり、スマホに接している時間はテレビの10分の1です。
60代女性でも同様に、「テレビ」が1番で、メディアの接触時間の半分以上を占めています。
2位が「ラジオ」、3位が「新聞」と、伝統的なメディアが続きます。
テレビに費やしている時間は、全体の55%です。スマホに費やしている時間は5%ですから、スマホにはテレビの11分の1しか時間を割いていません。
スマートフォンの所有率が違う
どうして、60代だけが接触するメディアが、こんなに異なるのでしょう。
その理由の1つが、スマートフォンの所有率です。
この調査の一環として、年代別のスマートフォンの普及率が公開されています。
これを見ると、男女を問わずに50代までは、スマートフォンの所有率が60%を越えています。
10代の男女では、なんと90%を越えています。
なお、インターネットを利用したアンケートでは、スマートフォンなどIT系ガジェットの普及率が、どうしても高めに出てしまうのですが、この調査は郵送方式によるものなので、実際の状況により近いと思われます。それで90%を越えているのですから、ほとんどの人が持っていると言って良いでしょう。
しかし、60代男性を見ると、スマートフォンの所有率は36%です。60代女性ではさらに少なく26%に留まっています。
これだけ普及率が違うと、スマートフォンというメディアに接触する人が少なくて当然でしょう。