IHクッキングヒーターにしたシニアの5人に1人は「ガスコンロに戻したい」と思ったことがある
キッチン用品専門ブランド「Flying Saucer」を発売している東興が、IHクッキングヒーター(IH)を使用しているシニアへのインターネットアンケートを行なっています。
アンケート対象は「独立して生活しており、IHクッキングヒーターを使用している」60歳以上の男女331名です。
アンケート結果からは、IH(アイエイチ)が火を使わず安全であることへの評価と、使いこなしの難しさへの不満がうかがえます。
IHにした理由は便利さと安全性
「IHにした理由」は「掃除のしやすさなどの利便性」が1位で、2位は「火の使用に不安を感じていた」でした。
この2つがガスからIHへ乗り換える主な理由のようです。
IHにして良かったのは「火の元の心配がなくなった」
「IHにして良かったこと」の1位は「火の元の心配がなくなった」、2位は「掃除が楽になった」でした。
購入理由であった「火を使わない安心感」と「掃除のしやすさ」は、ほぼ満足されているようです。
最大の不満は「IH対応製品しか使えない」
「IHクッキングヒーターへの不満」として「IH対応製品しか使えない」を挙げている人が65%もいます。
また、「フライパンを振るときにスイッチが切れてしまう」「火力が低く感じる」も、3分1以上の人が挙げています。
自由回答でも、「火力がガスに比べると加熱のムラがあるので、料理がしづらくなりました」(62歳女性)、「チャーハンや炒め物の時、周りからの火力がないので、ガスの時とは味が違うような気がする」(76歳女性)と指摘されています。中には「料理をしなくなった」という例もありました。
約5人に1人が「ガスコンロに戻したい」と思うことがある
「ガスコンロに戻したいと思う時がありますか」という質問には、「思わない」が一番多くなっています。
しかし、「思う」が4.8%、「思う時がある」が15.8%で、両方を足すと約5人に1人が「ガスコンロに戻したい」と思っていることになります。
できるだけ環境を変えずに済むように慎重な機種選びを
シニアがガスコンロからIHに乗り換える理由の1つに、離れて暮らす子供が、火の元を心配してIHを後押しするという事情があります。
しかし、シニアは慣れ親しんだ環境にいることで安心感を得ています。IHにしたことで、これまで使い慣れた鍋やフライパンが使えないということだけでも、シニアにとっては大きな負担であり、生活への不満や不安の原因となります。
例えば、最新のIHクッキングヒーターには、金属製ならアルミ鍋なども使える「オールメタル対応」や、火力が上げられる「温度コントロール」、鍋を振っても火力が落ちない「光火力センサー」などの機能を備えた製品もあります。
IHクッキングヒーターを選ぶ際は、できるだけ今の環境を変えずにすむように、どの機能が必要なのかよく検討して、機種を選択しましょう。
また、温度で火力を指定する機能や「自動炊飯」「自動湯沸かし」などIHならではの機能は、シニアにはなじみがありません。使いこなせるまで、ていねいに教えてあげることが重要です。