「60歳以上の消費者トラブル110番」で、一番多い相談は「アダルトサイト」

[2016/11/3 00:00]

60歳以上限定の無料相談窓口

国民生活センターは、契約当事者が60歳以上の消費生活相談全般を受け付ける「60歳以上の消費者トラブル110番」を2日間に渡って開設しました。

その結果、一番多かった相談は「アダルトサイト」に関するものでした。積極的に消費活動をする「アクティブシニア」の消費活動の一端がうかがえるものとなっています。

相談者の70%以上が「男性」

「60歳以上の消費者トラブル110番」は、2016年9月15日と16日の2日間開設され、電話による相談を受け付けました。

2日間の相談数は「95件」でした。

相談者の71%が「男性」で、年代では「60代」と「70代」で77%を占めています。

相談者の性別 出典:国民生活センター

相談全体の81%は「契約当事者本人からの相談」で、18%が「家族からの相談」でした。

相談者の年齢 出典:国民生活センター

一番多い相談は「アダルトサイト」

相談のテーマは、「アダルトサイト」に関するものが一番多くなっています。

2位は「役務その他のサービス」で、パソコンサポートなどが対象です。

ほかにも「光ファイバー」や「携帯電話サービス」など、ITや通信に係るサービスでトラブルが発生しやすいことがわかります。

相談が寄せられた商品・役務 出典:国民生活センター

支払金額の平均は「539万円」

相談の対象となっている契約の金額は「10万円未満」や「10万円~50万円未満」が多くなっています。

しかし、「500万円以上」という例もあるため、すでに支払っている金額の平均は「539万円」という高額なものとなっています。

寄せられた相談の契約額 出典:国民生活センター

「見に覚えのない請求は、あわてて払わない」

国民生活センターでは、4つの消費者へのアドバイスを公開しています。

  • 身に覚えのない請求をされても、あわてて支払わないようにしましょう
  • 自分だけで判断せず、周囲の人や最寄りの消費生活センターに相談しましょう
  • 家族や周囲の方も60歳以上の生活スタイルの違いを把握して見守りをしましょう
  • 少しでも疑問や不安を感じた場合は、すぐに消費生活センター等に相談しましょう

また、最後に典型的な事例を2つ紹介しますので、参考にしてください。

【事例1】アダルトサイトでの課金

スマートフォンでアダルト女優の名前を検索した。画面をタップしたら急に登録になってしまった。困ってサイトに電話をしたら約30万円の請求を受けた。指示通りコンビニのレジで13ケタの数字を伝え約20万円を支払い、さらに9万円のプリペイド型電子マネーのギフトカードを購入し番号を業者に伝えた。支払えば終わりになると思っていたが、また電話があった。電話には出なかったが、追加の請求をされるのではないかと思う。相手は私の名前と電話番号を知っている。どう対処したらよいか。(60歳代、男性、無職)

【事例2】不要な会員サービスなどの違約金

パソコンの修理を依頼したら、スマートフォンの購入も勧められ妻と自分用に2台契約した。また、パソコンのサポートサービスも2時間以上にわたって勧誘され、分厚い説明書も文字が小さくてよくわからなかったが、契約してしまった。さらにタブレット端末も勧められ、不要と伝えたが、無料と言われ、仕方なく受け取った。契約後、パソコンのサポートサービスが3年間の長期間であること、スマートフォンの支払いが4年間で合計50万円もかかることを知った。サポートサービスは不要と申し出たところ、解約金が8~10万円かかると言われ、納得できなかったが支払って解約した。スマートフォンも解約したかったが、解約金が20~30万円かかると言われたので、仕方なく継続している。納得できない。(60歳代、男性、無職)

[シニアガイド編集部]