「架空請求」などのトラブルは、ネット慣れした60歳代が危ない!!
消費者トラブルの3割以上は「60歳以上」
国民生活センターによれば、全国の消費生活センター等に寄せられる相談のうち、契約当事者が60歳以上である相談の割合は、2015年度には約34%に達しています。
特に60歳代では、アダルトサイト等のデジタルコンテンツや、光ファイバー、携帯電話サービス等の情報通信関連のトラブル相談が増加しています。
この変化の背景には、通信端末やインターネットを使い、積極的に消費活動をしている「アクティブシニア」が増加していることが影響していると考えられます。
いくつかのデータをもとに、60歳以上の消費者トラブルの特徴と、その対策を見ていきましょう。
ネット慣れした60歳代が危ない
年代別に相談内容を見ると、60歳代では「インターネット通販」、70歳代と80歳代では「電話勧誘」が多くなっています。
60歳代では「インターネット通販」以外にも、「架空請求」「ポルノ・風俗」「ワンクリック請求」「迷惑メール」など、インターネットに関連したトラブルが多くなっています。
これらのインターネット関連のトラブルは70歳代までは多いのですが、80歳代になると、かなり少なくなります。
それぞれの傾向を見ると、インターネット通販に慣れた60歳代、現実の店舗での購入が中心の70歳代、外出が少なくなり訪問や電話による被害が増える80歳代という特徴があります。
5年前に比べるとネット関連のトラブルが増えている
トラブルとなった商品の内容を5年前と比較すると、インターネットをはじめとする情報通信関連の商品が増えています。
以前は、「フリーローン・サラ金」や「未公開株」など勧誘型の商品が多かったのに対し、現在は自発的に取引を行なう通信販売に関する相談が増加しています
金額は百万円を越えている
それぞれの契約にかかわる購入金額は、年々少なくなっています。
それでも、平均金額は百万円を超えており、老後の生活に対して大きな被害を与えかねません。
60歳以上の消費者へのアドバイス
国民生活センターでは、60歳以上の消費者に対して、次のようなアドバイスを送っています。
- インターネットのトラブルについて、対処法などの情報収集を積極的にしましょう
無料だと思っていても、アダルトサイト等は突然料金を請求されることがあるので、不用意にアクセスしないでください。身に覚えのない請求をされた場合には、あわてて支払ってはいけません。 - 高齢になるほど電話勧誘販売や訪問販売のトラブルが増加します。自分だけで判断せず、すぐに周囲の人や最寄りの消費生活センターに相談しましょう
通話録音装置などの「防犯アイテム」を利用することも方法の一つです。
60歳以上の消費者の周囲の方へのアドバイス
また、60歳以上の方の周囲にいる家族などに対してもアドバイスを公開しています。
- 60歳以上の消費生活や通信利用状況には大きな個人差があります
周囲にいる60 歳以上の消費者の生活スタイルの違いを把握し、どのような消費者トラブルに遭いやすいのか考えてみてください。 - 生活や言動、態度等の変化に気付いたら本人に声をかけましょう。トラブルや被害にあっているとわかったら、すぐに消費生活センター等に相談しましょう
周囲の気付きや対応が遅れると被害が拡大してしまいます。地域や家族による見守りが欠かせません。消費生活センターへは、家族やホームヘルパー、地域包括支援センター等の職員からでも相談することができます。