日本の有給休暇の取得率は「50%」。世界28カ国の調査で最低
総合旅行サイトのエクスペディア・ジャパンが、「有給休暇の国際比較調査」の結果を公開しています。
世界計28カ国の9,424名を対象にしたインターネット調査で、2016年9月に行なわれました。
今回の調査では、日本の有給休暇取得の少なさが際立つ結果となっています。
アンケート項目数が多いので、エクスペディア・ジャパン提供のグラフを中心に結果を見ていきます。
日本は世界で一番、有給休暇を取らない
日本の有給休暇の取得率は「50%」で、調査対象国の中では最低でした。
ここ2年ほど、最下位を脱していたのですが、返り咲いてしまいました。
休みが不足しているとは感じていない
「休みが不足している」と感じている人は「34%」で、こちらも調査対象国の中では最低でした。
自分の周囲がそういう状況なので、そういうものだと思いこんでいるのかもしれません。
休みを取ることに罪悪感がある
「休みを取ることに罪悪感がある」と回答した人は「59%」で、韓国に続き2番目に多くなっています。
また、「休みを取らない理由」の2位には「職場の同僚が休んでいない」が入っています。
自分の周囲の同僚に気を使っている様子がうかがえます。
自分の有給休暇の日数を知らない
「自分の有給休暇の日数を知らない」と回答した人は「47%」で、2位以下の2倍以上多い数字でした。
「どうせ取れない」または「取らない」と、諦めているのかもしれません。
休み中でもメールを見てしまう
「休暇中でも一日中メールを見てしまう」人は「22%」で、韓国に続き2位でした。
せっかく取った有給休暇ですが、気持ちは職場に残したままの人も多いようです。
休みは取れても短い
休暇の取り方について聞いてみると、「短い休暇を複数回取る」と回答した人が57%で1位でした。人手不足などで、長い休みを取りにくい状況が伺えます。
一人旅が好き?
「一人旅を好む」人も「29%」で1位でした。
エクスペディアでは“休みが取りにくい日本人は、家族や友人と休みを合わせることが難しいことから一人旅の頻度が増え、その結果、一人旅の良さに気付く機会が多いのかもしれません。”と分析しています。
むしろ、職場で気を使う分、旅行のときぐらいは人に気を使いたくなくて一人旅を選ぶのではないでしょうか。
厚労省の調査でも、有休取得率は47%
厚労省が行なった「平成27年就労条件総合調査」によれば、日本の次有給休暇日数は、労働者1人平均18.4日、そのうち労働者が取得した日数は8.8日で、取得率は「47.6%」となっています。
したがって、今回の調査の「50%」という取得率は妥当な数字と言えるでしょう。
なお、一般には大企業ほど有給休暇が取りやすいというイメージがありますが、厚労省の調査によれば「1,000人以上の大企業」でも有休取得率は52.2%に留まっています。この数字は「30人~99人の企業」の43.2%と10%も差がなく、企業の規模には関係なく、有給休暇が取りにくい状況であることが分かります。
また、男女別では、女性の有給取得率が「53.3%」なのに対し、男性は「44.7%」に留まっており、男性の方が有給休暇が取りにくい状況にあるようです。
有給休暇は、単なる社内規定ではなく、労働基準法で定められた労働者の権利です。できるだけ取得できるようにつとめ、心や身体を休めることを考えましょう。