来年から始まる「スイッチOTC薬控除」で節税する方法
2017年1月から、ドラッグストアなどで販売されている一部の薬について、所得税の控除の対象となります。
つまり、対象となる市販薬のレシートを集めておいて、翌年の年明けに確定申告をすると、所得税と住民税が安くなります。
この制度は、正式には「セルフメディケーション税制」と言いますが、対象となる製品の種類から「スイッチOTC薬控除」とも呼ばれます。
対象となる「スイッチOTC薬」とは
控除の対象となるのは、「スイッチOTC薬」という種類の薬です。
スイッチOTC薬は、もともとは、医療用に開発された薬が、一般に市販される薬に転用されたものです。
今回の制度では、82の有効成分が指定されており、それを含んだ約1,500品目の薬が対象となっています。
代表的なスイッチOTC薬としては、鎮痛薬の「ロキソニン」、胃腸薬の「H2ブロッカー」、筋肉痛や関節痛薬などに用いられている「インドメタシン」などがあります。
対象となっている製品のパッケージに、下のようなロゴマークが記載される方向なので、店頭でも判別できるでしょう。
また、厚労省のホームページには対象製品のリストがあります。
スイッチOTC薬控除の必要条件
スイッチOTC薬控除には、いくつかの条件があります。
- 申告対象となるのは、年間購入金額が「合計12,000円以上」必要。上限は「88,000円」まで。
- 生計を共にする家族の分もまとめて申告できる。
- 医療費控除と一緒には使えない。
- 申告する人が、会社が加入している健保や地方自治体などが行なう健康診断や予防接種など、「健康の保持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組」をしている必要がある。
- レシートは必須。
- 2021年(平成33年)までの期間限定。
スイッチOTC薬は、どちらかといえば値段が高い薬が多いので、常用している薬があれば、年間購入金額の下限の12,000円は遠くありません。
とりあえず、市販薬を購入したらレシートを箱か封筒に保存しておきましょう。
そして、年末にスイッチOTC分の金額が12,000円を越えていたら、確定申告をすればよいのです。
少し面倒なのは、医療費控除と一緒に使えないことでしょう。
例えば、夫婦で「医療費控除」と「スイッチOTC薬控除」の両方が使えそうなときは、片方を夫に、もう片方を妻に振り分けるなどの配慮が必要となります。
なお、健康診断を受けた証明は、領収書や診断結果を知らせる書類の一部などで良いことになっています。健康診断の結果の通知も一緒に保存しておきましょう。