シニアがアルバイトを始める4つの理由

[2017/1/18 00:00]

総合人材サービスのインテリジェンスが、「アルバイトに従事する60歳以上の人に関する調査」の結果を公開しています。

この調査は、60歳以上で、現在アルバイトやパートに従事している人にインターネットでアンケートしたもので、844人(60代680人、70代164人)が回答しています。

アルバイトの目的は4つある

最初に、「アルバイトをする一番の目的は」と聞いています。

その回答は、次の4つが多いことがわかりました。

  • 「お金を稼ぐため」
  • 「健康を維持するため」
  • 「社会との繋がりを感じるため」
  • 「仕事のやりがいを感じるため」

この目的別に回答者を4つのタイプに分け、それぞれの志向性や特徴をまとめています。

「シニアがアルバイトをする目的」 出典:インテリジェンス

お金を稼ぐため

「お金を稼ぐため」と回答している人は「36%」でした。

このタイプは、年金だけでは生活していけないという場合や、年金取得までのつなぎ、または老後に向けて蓄えるためにアルバイトをしている場合が多く、必要に迫られてアルバイトを始めたタイプです。

主な目的が、お金を稼ぐことであるため、4タイプの中で最も多く働き、稼いでいるタイプです。週の希望シフト数が唯一の5日であり、平均月収を見ると9万3千円で最多となっています。

仕事探しの重視点では「長い期間働くことができる」ことや、「給与の高さ」を重視する傾向があります。

やりがいのある仕事というよりも、まずは仕事自体を見つけることが先決で、就業できるかどうかを判断するために、「自分と同世代の人が実際に働いているか」を気にする人が多くみられます。

求人原稿においては60歳以上の方が実際に多く就業している点や、平均年齢などを記載すると応募に繋がりやすくなると考えられます。

健康を維持するため

「健康を維持するため」と回答している人は「25%」でした。

このタイプは、定年退職した後に、家にいることが多くなって運動不足になったり、生活のメリハリがなくなり生活リズムが乱れてしまったりするパターンが多く、女性よりも男性に多い傾向があります。

体を動かす仕事を希望する分、希望労働時間は短めです。

仕事探しの重視点として「働く時間が短い」ことを希望する人が多く、平均勤務時間としては4~5時間が目安になります。

職種としては、梱包や仕分けなどの軽作業や、清掃のアルバイトを希望する人が比較的多く、警備の見回りやゴルフ場のコース管理といった「歩くことが多い」仕事が人気のようです。

社会との繋がりを感じるため

「社会との繋がりを感じるため」という回答は「24%」でした。

このタイプは、定年退職をした後や、子育てが一段落した後、家で過ごす時間が増えたせいで、人とのコミュニケーションが少なくなり、社会からの疎外感を感じたことがきっかけでアルバイトを始めた人が多いタイプです。

アルバイトを通して他者との交流を望み、特に若い人との交流を求める傾向にあります。

仕事探しの重視点で「やりがいがある」の割合が多く、アルバイトを通じて社会に恩返しをしたい、人の役に立ちたいという声があがり、社会貢献志向が高いことも特徴だと言えます。

求人原稿においては「若い人とのコミュニケーション」や「仲間づくり」ができること、またアルバイトを通じて人の役に立てる点などをアピールすることがポイントになります。

仕事のやりがいを感じるため

「仕事のやりがいを感じるため」という回答は「12%」で、他の回答よりは少なめです。

このタイプは、長年勤めていた過去の仕事の経験や得意分野を活かしたアルバイトを行なっていたり、定年した後に資格を取得したりする場合が多く、「自身の能力を発揮し、社会に役立ちたい・必要とされたい」という思いが見られます。

このタイプのシニアの募集のポイントとしては、年齢ではなく本人の能力や意欲を採用で重視している点をアピールしたり、実際に活躍しているシニアの実例を挙げたりすると良いでしょう。

希望職種は、「講師・インストラクター」「医療・福祉・介護」などキャリアや高いスキルが求められる職種や、各々が得意な仕事、好きな仕事が選ばれています。

シニアのバイトは「週3日」「月に10万円」が目安

インテリジェンスが以前に行なったアンケートでは、シニアのアルバイトは、「週に3回」働き、「月に10万円」程度の報酬を得ている人が多いという結果が出ています。

働き方については、自分の都合に合わせて選んでいる人が多く、働く日数についても週に1日から7日まで幅がありました。

アルバイトを探す際は、自分が何のために働くのかという目的を確認し、自分の体力や気力とのバランスを考えて働く条件を交渉しましょう。

[シニアガイド編集部]