みんなが貯金する目的は「老後の生活資金」と「病気や災害への備え」

[2017/1/28 00:00]

調査会社のR&D(リサーチ・アンド・ディベロプメント)が、「今よりも将来に備えたいという意識が高まっている」という調査結果を公開しています。

この見解は、同社が30年以上に渡って、18~79歳の首都圏の一般生活者を対象にして行なっている調査「CORE」の結果を基にしています。今年の調査「CORE 2017」では、3,000人が回答しています。

将来への備えのための預貯金が突出

「預貯金の主な目的」は、前年に引き続き「老後の生活資金」と「病気や災害への備え」が高くなっています。

この2項目を挙げる人は6割を超えており、「預貯金は将来の備え」と考えている人が主流となっています。

また、「目的はないが安心のため」もじわじわと増加しています。

出典:R&D

今よりも将来に備えたいという意識の高まり

また、「生活における価値観」の項目では、2009年以降は「将来のことよりも今の生活を充実させたい」が「今の生活をおさえて将来の生活に備えたい」を上回っています。

しかし、ここ数年は「今の生活をおさえて将来の生活に備えたい」が増えてきており、差が縮まっています。

出典:R&D

先行きが不透明な時代だからこそ「将来に備えたい」

このように「将来への不安」が強く感じられる調査結果について、R&Dでは、次のようにコメントしています。


 2016年は熊本での地震や台風災害など、大規模な災害が相次ぎました。

 また、5年ぶりに行われた国勢調査で少子高齢化の進行を数字で目の当たりにし、高齢者による事故の多発など超高齢社会のリアルも表面化しています。

 「長生きをするリスク」をじわじわと実感しているが、国はあてにならない―こうした意識から、短期スパンでの自分の暮らしには楽観的でも「今よりも将来に備えたい」という意向が高まっていると考えられます。

 預貯金の目的として「老後の生活資金」「病気・災害への備え」が例年と同様に突出して高く、前年から「目的はないが安心のため」が増加傾向となっているのも、生活者の中で漠然と存在する将来の不透明感から「備えないと不安」という意識が生まれたのかもしれません。

[シニアガイド編集部]